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経営学つれづれ

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2024年2月の記事一覧

読書感想文「行為の経営学の新展開」③

読書感想文「行為の経営学の新展開」③

賞を総なめにした経営学研究とは

第2章は、兒玉公一郎(現日本大)による「デジタル・ミニラボ」の事例研究である。
同事例にかかる研究(兒玉, 2013; 2020)は、組織学会高宮賞・日本経営学会賞・企業家研究フォーラム賞をはじめ経営学系の賞を総なめにしている。
むろん、良い研究が必ず受賞するわけではないし、賞を獲るから手放しに良いわけでもなかろう。ただ、近年でもこれだけ各学会で高い評価を受けた研

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読書感想文「行為の経営学の新展開」①

読書感想文「行為の経営学の新展開」①

以下は、「行為の経営学の新展開」(加藤俊彦・佐々木将人著、2023年、白桃書房)の私的なレジュメである。つまり筆者のオリジナルの論考ではなく、多分に同書を反映した内容である。但し、引用については明記し、部分的にオリジナルの解釈や例を足してまとめている。

はじめに:行為の経営学の新展開

本書は、沼上幹氏(一橋大→早大)の教え子らが、氏の退職を記念して編纂した本である。要は退職記念本だ。またテーマ

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