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読書感想文「行為の経営学の新展開」③
賞を総なめにした経営学研究とは
第2章は、兒玉公一郎(現日本大)による「デジタル・ミニラボ」の事例研究である。
同事例にかかる研究(兒玉, 2013; 2020)は、組織学会高宮賞・日本経営学会賞・企業家研究フォーラム賞をはじめ経営学系の賞を総なめにしている。
むろん、良い研究が必ず受賞するわけではないし、賞を獲るから手放しに良いわけでもなかろう。ただ、近年でもこれだけ各学会で高い評価を受けた研
読書感想文「行為の経営学の新展開」①
以下は、「行為の経営学の新展開」(加藤俊彦・佐々木将人著、2023年、白桃書房)の私的なレジュメである。つまり筆者のオリジナルの論考ではなく、多分に同書を反映した内容である。但し、引用については明記し、部分的にオリジナルの解釈や例を足してまとめている。
はじめに:行為の経営学の新展開
本書は、沼上幹氏(一橋大→早大)の教え子らが、氏の退職を記念して編纂した本である。要は退職記念本だ。またテーマ
経営学は何のために? (4) 役に立つとは、いつどこで
前回から少し間が空いてしまいました。社会はコロナでなんだか落ち着かない雰囲気ですね。
大学教員にとって、2月は授業がほぼ終わり、採点業務なども落ち着いて、まとまった時間が取りやすくなってくる時期です。修論・博論審査などで忙しい方、時期とか関係なく年中忙しい方もむろんいらっしゃいますが、時間が取れる方も多いはず。但しもちろん暇なわけでもなく、まとまった時間が取れるということは研究に充てるのに適し
経営学は何のために? (3) 失敗と修正
こんにちは。前回の続き、第3回になります。
Facebookでシェアしてるので、てっきり知り合いしか読んでないと思いきや、リアルでは私が存じない方にも読んでいただいているようです(スパムっぽいアカウントもあります)。読者の皆様にとって何らか意味のあるモノになっていたら幸いです。
前回は、理論が「失敗」した例を挙げました。やっぱり理論は役に立たないのでしょうか?いやそんなことはないです、その
経営学は何のために?(2) 理論の社会実装、そして失敗
先稿にリアクションいただいた方、ありがとうございました。「おもしろかった」「続きが気になる」から、「頭に入ってこない」まで、たくさんのコメント・リアクションをいただき、勉強にもなり、励みにもなりました。全ての読者に応える発信というのは不可能で、どういう読者を意識するのか、は発信者にとってめちゃくちゃ大事なことです。ただ、あんまりスタンスは決めておらず、とりあえずは、前回のように「友人に向けて」書
もっとみる経営学は何のために? (1) 理論と実際
実質初投稿になります。noteの投稿はあんまり経営学に限定するつもりはなかったのですが、経営学関連にご期待する声もあり、プレッシャーを感じつつ経営学に関する投稿から始めることにしました。今回はどちらかというと経営学ではなく経済学の話なのですが…。
朋あり遠方よりLINE来る
先日、中学以来の友人から、突然LINEを貰いました。
「MM理論って、MBAでがっつりやる?触るくらい?ファイナンス