毎朝の通勤習慣

05:18 第1アラームが鳴る。この時点で目を覚ます。
05:40 第2アラームが鳴る。この時点でからだをもぞもぞとさせ、寝返りをうち、やっとこさ身を引き起こす。つまりは起きる。
06:20 第3アラーム。第2アラームとの間で、支度を整える。歯磨きをして顔を洗う。服を着替え、基礎英語3を聞くためにラジオをつける。場合によってはシャワーを浴びる。
07:04 部屋を出る時間。06:30に始まる基礎英語3を聞き流しながら、人に合うのに遜色がない程度のメイクを顔に施し、朝ごはんのブルーベリージャムを入れたヨーグルトを用意する。熱めのミルクティーを飲みながら、ラジオを聴く。菓子パンを一個咥えつつ、持ち物チェックをして扉を開ける。
07:26 通勤電車に乗る。当駅始発。うまくすれば、座れる。
1本早いのだと07:22だし、遅いのだと07:30。早いのに乗れば、10分早く仕事場に着くし、遅いのに乗れば遅刻間際ギリギリセーフ。
08:12 駅に着く。最初に乗った当駅始発から、乗り換えて一本。けど、毎朝ぎゅうぎゅう詰めの(ジゴクノ)満員電車だから、心を無にして乗り込む。
イヤホンを耳に突っ込んで、テンションが上がるように、これからのタスクに意気込めるように、自分を奮い立たせるように、セレクトされた音楽を流す。
到着すると、皆一目散に改札を目指し、同じ方向に向かう流れに乗りながら、仕事場へ向かう。
08:25 職場に着く。セキュリティカードを出してゲートを潜り、エレベータに滑り込んで音楽を止める。イヤホンを外して自分の名前のついたマグネットをひっくり返す。周りのメンバーにささやかな挨拶をして自席に座り、PC端末の電源を入れる。
08:30 始業。


上記は、私の現在の通勤の習慣である。
これが決まっているから、私は毎朝職場へ向かえている
と言っても過言ではない。
そうじゃないと、息が詰まって死にそうになる。

かの有名な野球選手イチローも、バッターボックスに入った際に必ず行う仕草がある。
打席に入る前に屈伸。バッターボックスに立つと、バットを半回転させて
センター方向に垂直に立てる。そしてユニフォームの右袖をまくるような仕草をし、またバットを半回転させて構える。
この儀式のように行われる動作を「パフォーマンスルーティン」と呼ぶ。
多くのアスリート選手が”集中力を高めるために”取り入れているそうだ。


毎朝、”生きていくのに致命的なミス”をするプレッシャーと戦いながら、私は毎日職場へと通っている。
「そんな職場やめちゃえば。」と人に言われるが。

就職してから、何度も読み返しているバイブル
おかざき真里『サプリ』 10巻(FEEL COMICS)
に大好きなシーンがある。

みんな、同じなのだと思う。
なにがしかのプレッシャーと戦って、永遠とも感じられる苦痛な時間をなんとかやり過ごし、普段どおりに過ごせるよう、いつもと同じ場所同じ時間同じメンバーで集まる。

積み重なった習慣は、本当に”私が倒れないためのヨロイ”になっている。
無感動に淡々と過ごす日常も、朝フォーマット化された習慣をなぞるときちんと自動的にスイッチが入る。
いいことかわるいことか一概に判断できないけれど、私にはありがたいことで
きっと今後を振り返った際に、半自動的にバッターボックスに入りボールと逃げずに向き合った記憶は、私に勇気をくれる。
同じ動作を繰り返すことで知らぬ間に身に着けたスキルは、おそらく将来私を助けてくれる。

死にそうになりながら、死なないために、今日も私は仕事と向き合う。

(1394字)

〜関連書籍〜
・おかざき真里『サプリ』 10巻(FEEL COMICS) 2010年 祥伝社
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%AA-10%E5%B7%BB-FEEL-COMICS-%E3%81%8A%E3%81%8B%E3%81%96%E3%81%8D%E7%9C%9F%E9%87%8C-ebook/dp/B00AY7FI92/ref=sr_1_4?s=books&ie=UTF8&qid=1527315626&sr=1-4&keywords=%E3%81%8A%E3%81%8B%E3%81%96%E3%81%8D%E7%9C%9F%E9%87%8C+%E3%82%B5%E3%83%97%E3%83%AA


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