日本一予約の取れないドライヘッドスパVS俺

デスクワークやライブ鑑賞なんかを続けていると身体にはやっぱりガタがでてくる。酷使している時間も長ければ、姿勢も絶望的に悪く部分的にかかる負担が蓄積されると重さや痛みになって実感してしまう。

私の場合は仕事柄、目を酷使するためそこからあらゆる部位にだるさが移ってしまう。そろそろどこかマッサージでも受けにいこうかなーなんてネットをうろついていたらたまたま興味を惹かれる店を見つけた。

悟空のきもちという店だ。

ドライヘッドスパの最高峰、施術を受けたものはたちまち眠りに落ちる。
サイトの写真見たけどでっけぇ大仏が寝てるもん。雰囲気すごすぎてマッサージ店というより研究所。扉の向こうに入ったらの脳みそいじられるんじゃねえか。

軽い気持ちで予約ページを開くとカレンダーはほぼほぼバツで埋まっておりいた。サイトにも書いてあったが全業種・店舗で予約待ちの数が全国一位らしい。無理かと諦めて別の店を探そうとしたとき、最寄りの店舗でたまたま空きが発生しているのを見つけた。これは社会経験!行かねば!と早速60分コースの予約を取り、職場には有給申請をすかさず出す。これができる大人なのだ。

予約当日、日中の日差しで汗だくになりながらも店に着くとサイトにあった大仏がいてお店に入るのを一瞬躊躇った。スタッフさんが案内をしてくれて初めて来店した私にとても丁寧に説明してくれた。

ここのマッサージは一般的にツボを押して身体の重さ、怠さをとるというよりは程よい力加減でツボに何度も触れて心地よい眠りを促進させることに重きを置いた施術らしい。

説明を聞いてるだけで気持ちよさそうだなと思った。
程なくして大仏の隣にある丸い扉の奥に通された。入ると真っ暗な空間である。軽くカーテンで仕切られた空間がいくつもあり、そのうちの一室に案内された。そこにはチェアが一つ置いてあり、あとはスタッフが己の腕一つで全力で頭を揉みほぐしに来るのだ。(施術の前にお水をいただけたりもするのだがこれがまた嬉しい)

空間全体が寝ろと言わんばかりの環境でいよいよスパを受けるわけだが、こういう店は寝てしまうと一瞬で終わってしまい何がなんだったのかよくわからないうちにボケっと店をでるのだ。たくさん経験してきたから知ってる。折角普段予約が取れないようなお店に来たんだから120%満喫したい。気持ちよくなりたい。それを実感するなら敢えて寝ないように60分施術を受けようじゃねぇか。寝かせられるもんなら寝かせてみろ。こうしてスタッフVS俺の60分一本勝負が幕を開けた。

寝た。

それはもうしがらみも憂いも何もかも忘れ去って気持ちよく寝た。揉み解されているうちに身体全体が心地よい温かさにフワッと包まれたような感覚は覚えているがそうなってからの記憶が欠落している。

悟空のきもちというからには頭に輪っか付けられてぐいぐいやられちゃうかと思ったけどそんなことなかった。むしろ輪っか外れて頭の中身も空っぽになった感じする。まぁ寝たってことは気持ちよかったってことでしょうね。看板に偽り無しである。

施術後には男性用のパウダールームに通され、そこで改めて身だしなみを整えたり水分を補給したりできる。置いてある鏡をチラ見すると頭がスーパーサイヤ人より3ランクくらいヘボいくらいの爆発ヘアになっていた。

そこにスタッフさんが再度アンケート用紙を持って説明にきてくれた。
面白かったのはアンケートの項目にどんな夢を見ましたか?みたいな項目があったこと。記憶を失っている私は大きく元気に「思い出せない」の項目に◯をつけた。

もう一つ、パウダールームには予約用の端末が置いてあり、来店者はその場で優先的に次回予約ができるようになっていた。あまり考えずに次回の予約をして出てきた。だってもう一回受けたいもん。

去り際、店内BGMで久石譲さんの「あの夏へ」が流れていることに気づいた。気持ちもかなりリラックスできた。

つまり久石譲さんは最高のリラクゼーションってわけ。


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