見出し画像

高木川内公民館(佐賀県)の記憶

佐賀県多久市、明治佐賀炭鉱跡の付近に、重厚な正面玄関を有した公民館とであったので紹介する。高木川内公民館である。読みは付近を流れる高木川から、”たかぎがわうち”である。

なんといっても目を引くのは、木造瓦屋根の日本家屋にして、その正面玄関に西洋建築をにおわせる造りをしたところである。

2014年12月撮影

間口の広い両開き玄関扉の両側に、天井近くまでに高さのある幾何学模様の枠をした窓と、玄関の壁面には腰の高さまで明るい色味のスクラッチタイル、色違いのタイル交互に配した敷居、西洋風建築を模した瀟洒な印象を与えてくれる。

2014年12月 撮影

建築当初から、公共施設を意識したためか、玄関回りに重厚な柱を備えたひさしには、大きな扁額が備わっている。玄関の奥行の壁にも正面同様に高い窓がは配置されている。軒先と柱の付け根における板の配置も見事だ

2014年12月 撮影

元日には、正面玄関に大きな日の丸が交差して掲げられていた。

2011年12月

残念ながら、この見ごたえのある高木川内公民館は、解体されて建て替えられたようである。付近には中堅の多久炭鉱や大手筋の明治佐賀炭鉱があり、往年は相当な数の住人によって、様々な催しや集会が行われたであろう。そのことを十二分に偲ばせてくれる貴重な施設であった。

2011年12月 撮影


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?