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浪瀬の山神社(佐賀県)

佐賀県唐津市厳木町浪瀬、周囲に岩屋炭鉱、新屋敷炭鉱などの大手中堅の炭鉱のほか、東和炭鉱のような小炭鉱が操業していた厳木の土地に、炭鉱と縁の深い名前の神社が鎮座していた。浪瀬の山神社である。昭和期に操業していた炭鉱を航空写真に配置すると、取り囲むように炭鉱が点在していたことが分かる。

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県道32号線に面した鳥居には、山神社と揮毫された額が架けられている。

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鳥居をくぐると、参道上に浪瀬川の沢を跨ぐ石橋が架けられていた。石橋のほとりには桜の木が植えられている。

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山のふもとに、境内が広がっている。2番目の鳥居には、宝暦十三歳と揮毫されているが、宝暦とは元号のことで”ほうりゃく・ほうれき”と読むらしい。その元号が十三歳ということは西暦1763年になる。炭鉱が操業するはるか昔に建立されたことが分かった。

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長い石段を上ると、緑に囲まれて本殿が鎮座していた。境内はきれいに掃除されていて、付近の住人がお宮掃除を欠かしていないことが分かる。

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また、本殿のほかに屋根付きの舞台が建っている。祭り日に里神楽などが演舞されるのだろう。立派な舞殿(まいどの)だ。

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この山神社の付近は、今では民家もまばらで緑と田園が広がる大変のどかなところだが、かつては周囲に炭鉱が操業して、炭鉱の地鎮を祈願するためのお祭りなどが催されていたと思う。鳥居や本殿は朽ちることなく立派に維持されており、境内の植物も剪定が行き届いている様子だった。地元の方に大切に管理されていることがうかがえる。

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