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ふむもくエッセイ

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ふむふむと思ったことと、もくもくと感じたうれしいことを集めました。
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2020年2月の記事一覧

108 山から見える風景

春風が心地よく陽がやわらかかったので、洗濯物をどっさり干したあと車で山に行きました。ほとんど車で登って、ちょこちょこっと自分の足で頂上まで行く気楽な山登りです。 登った山は、頂上らしきところに電波塔があって、その付近に木のベンチ二つと岩がいくつかある山です。木はまだまだ冬仕様、草も茶色くなって風にからからと吹かれています。 私以外には三十代くらいの男性と老夫婦、それから親子がいました。 三十代くらいの男性は、なんとベンチで眠っていました。 ひだまりの中、すやすやと気持ち

107 ミモザのように

雪が降る日のさむさは、あきらかにいつもとちがっていて、特別なつめたさです。 いつものさむさはすぅとした感じ。 雪のさむさはきんとした感じ。 目に見えないけれど、わかること。 仕事中にふと窓を見たら、ひらひらとお砂糖のような雪が舞っていました。 雪が降る日の白さも、特別な白さです。 雪の量は関係なく、空気がすこしだけ、白濁している気がします。 目に見えることで、わかること。 ―どうしても、自信が持てないんです。 一昨年の春、私に悩みを打ち明けてくれた高校生の女の子がいまし