2022年ベストテレビドラマ

2022年は以下のドラマを観ました。
途中離脱したものも含めるともっとあるけど、完走したものだけ。()書きしている初恋の悪魔はまだ全部観てないけど観るつもりで録画を残しているので入れました。

1月期
ミステリと言う勿れ
恋せぬふたり
ファイトソング
となりのチカラ
妻、小学生になる

4月期
なし

7月期
ユニコーンに乗って
石子と羽男-そんなコトで訴えます?-
(初恋の悪魔)

10月期
エルピス-希望、あるいは災い-
silent
孤独のグルメ season10
アトムの童

その他(長編)
鎌倉殿の13人
カムカムエブリバディ
ちむどんどん

4月期なしかよ。個人的なトピックは、めちゃくちゃひさしぶりに大河を完走したことですかね。一時期、義時が闇落ちしたあたりから観るのがきつくて録画をためこんだこともあったけど、最終回にむけて一気見して走り切った。

あとは話の流れにそぐわない強引な恋愛要素は不要というのがよくわかった年だった。石子と羽男とか、あとアトムの童とエルピスも?仕事でよきパートナーになる男女にはひと昔前なら恋愛要素が必要不可欠だったけど、そういうのがなくても希望的な終わり方ができるようになったのがなんというか心地よかった。そもそものところで恋せぬふたりのようなドラマもあったし、そういう時代をドラマが感じとったってことですかね(何目線)。

逆に恋愛もので見届けられたのはファイトソングとユニコーンに乗って、あとsilentか。これ全部演者のペア画力という感じがするな。清原果耶と間宮祥太朗、永野芽郁と杉野遥亮、川口春奈と目黒蓮。セットになったときにしっくりくるか、「かわいいふたり〜」っとなるか。silentはほかにも要素があるので正直ちょっと違う感じもするけど、ひとつめふたつめコンビは私にとっては最終回に「かわいいねぇ、ハッピーエンドよかったねぇ」と思えるかどうかがすべてな気がした。

で、ベスト3は
1位 エルピス-希望、あるいは災い-
2位 鎌倉殿の13人
3位 妻、小学生になる
3位 石子と羽男-そんなコトで訴えます?-
にしました。

エルピスはほんっとうに何から何まですごかった。脚本、演出、配役、演技、衣装、セット、映像、音楽、ありがたいと思えるくらいいいものを見させてもらった。ほんと、どれをとってもすばらしかった。なかでも目を見張ったのはやっぱり眞栄田郷敦、あの目力と人間的な色気、強さ弱さ、明るさ暗さ、柔らかさ剛さ…そういう相反するものがないまぜになった存在感。よくぞこの役と出会ってくれたな。余談だけど大根さんのインタビューで、ず〜っと岸本の配役が未定でいろんな提案にも渡辺あやが首を縦に降らず、たまたま見てたAstudioにゴードンが出てて大根さんが渡辺あやに電話をしてテレビをつけさせたら渡辺あやが「この人です!!!」って言って決まった、っていう話すごく好き。長澤まさみ演じる浅川も人間くさくてよかった。人にはああいうグラデーションや多面性があるよね〜っていう。エンディングと音楽もちょっと意味わかんないくらい豪華だったな。ただひとつ、実際の人物に寄せたキャラクター造形(具体的には名前出さないけどぜったいわかる)があったことで、妙にそわそわするというか、いろいろ想起してヒヤヒヤしてしまうことがあって、制作としては狙ってやったことだと思うしぐっと解像度があがったのも事実だけど、急に現実を目の当たりにしたことでドラマに集中しきれない一面もあった。とくに見た目とポスター、かな。そこのリアリティーは、私にはいらなかったのかもしれない。そうしなくてもたどり着けたはずだから。しかしそれでも1位に選んだのは終わり方が期待以上だったというのがでかい。どうやって終わるのか想像できなかったけど、希望を持って終わってくれて私がドラマに求める「そうであってほしい」にしっくりきた。ドラマなんだから、リアルに寄りすぎて絶望的に終わってくれるなよ、と思っているので。かと言ってあまりに非現実的なのは気持ちがついていかないし。このドラマのエンディング、大願成就(無罪)と、希望を持ちたくなる台詞と、視聴者に訴えるメッセージが詰まってるんだけど、ぜんぶ絶妙なバランスで、そして軽やかさがあるのがめっちゃいい。ふたりが心から笑うあの牛丼のシーン!釈放後のカレーとケーキも泣けたけど、牛丼のシーンの生きてる感みたいのがめちゃくちゃ心に残ってる。

鎌倉殿はおもしろかったねぇ、ふつーに歴史に残る名作なんじゃね?最初はいっぱいくすくすしてたのにやっぱ佐藤浩市が死ぬ暗転からの怒涛のデスロード、毎話のようにフラグを察しては顔がひきつってたな。小栗おめーやめろよまじかよって感じで、途中かなりしんどかった。それでも見続けようと思わせる何かがこのドラマにあったんだな。しかも終わり方が極上。私が大河にぴんとこないの、名を馳せるためにすげー人殺したり略奪したりするくせに「平和のためじゃった」みたいな終わり方するのが共感できないっつう部分があるので、ああやって業を背負いまくって孤独に死ぬのはある意味納得というか腑に落ちた気がする。そりゃそうだろ、それでこそ人間だろ、みたいな。そして大河は日本でいちばん豪華なドラマなのだなと思い知った。あれだけの役者が出ても絵的にうるさくならず、ただただ華やかでいられるの、大河くらいでは?配役もよかったよね、トキューサとか松也とか、あと生田斗真とかさぁ。生田斗真にもっとクズ役やってもらいたいよね。

妻、小学生になる。は自分でも選んでおきながら意外。こういうファンタジーを最後まで見続けられるとは思わなかったけど、不思議なくらい設定をすんなりと受け入れられた。それがすごい。キャストは神木くんとか吉田羊とか要所を締める配役をしつつ、さとしやかたまりみたいな遊び要素もあり。しかしなにより妻になる小学生役の毎田暖乃さんの演技がすんばらしかった…ふつうに妻として見てた。堤真一の役に嫌悪感を抱く人もいたらしいけど、想像もしづらいような突飛な設定を現実的な視点で斬るのもなんだかあと思った。どファンタジーなので…。地味によかったのが、ドラマの中ではほぼ共演しない石田ゆり子(亡くなった母)と蒔田彩珠(大きくなった娘)が提供バックのときだけ一緒にわちゃわちゃ過ごしている、というやつ。ちょっとフィルム風の映像で、そこにあるはずだった未来を描いていて、せつなくも微笑ましくてよかった。クレジットの出方とかもちょっと変わってたな〜。

石子と羽男は先に書いたけど男女バディもので恋に落ちない心地よさね。あと有村架純の堅物キャラは鉄板。新井・塚原コンビなので安定感も抜群。とりあげる民事とそのメッセージ性も抜群。完全な1話完結じゃなく、少しずつ連なり明らかになる巨悪(っていうの?)の詳細や石子の再生、さだまさし演じる父親との和解も、なんというかほどよくちょうどよく。故のインパクトはやや弱かった気もするけど。中村倫也の衣装はあれが正解だったのか。結構悩ましかったのかなー。というか何が似合うのかよくわからないひとなのかもしれない。もうちょっと話題になってたら帰ってきた石子と羽男できそうだなと思いました。


以上!
2023年1月期ドラマもはじまりまくってまして、結構いろいろ見ているのでまたこういうの書けるといいな。

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