見出し画像

ちゃんと乗らないといかんよ

2歳になる娘が大のお気に入りである「ステラ・ルー」のぬいぐるみを抱きしめて、リビングに置いてあるソファーの背もたれの上に座ろうとしていた時にしゃべっていたセリフである。

「ちゃんと乗らないといかんよ」

ぬいぐるみが落ちてしまわないよう座らせてあげながら、ぬいぐるみに向けて話かけていた。

この「乗らないといかん」っていう言葉はいわゆる二重否定になっていて、「乗らない」+「いかん(=いけない)」→「ちゃんと乗ってね」という意味であることは誰でも感覚的に分かりますよね。
でも、2歳の娘にそんな小難しいことを言いながらこの文法を教えた人は誰もいないんですよね。
娘はたぶん、誰かが言っていた「ちゃんと~~しないといかんよ」っていうセリフを聞いて、その場面を感覚的に捉えていて、それが「ちゃんと~~してね」という意味で発せられたセリフなんだと理解したからこそ、似たようなちょっと違う画面で、アレンジして使えているんだろうと思う。

言語を覚えていく正しい方法のヒントは、こういった中に隠れているんじゃないかなと思う。
つまり、言葉そのものの意味を捉えるのではなく、その言葉が発せられた状況・場面・誰が誰に対してしゃべったのかといったような総合的な意味合いを合わせて理解する必要があるのだろう。
意味は後から覚えればいい、誰がどんな時(どんな気持ちのとき)に、どういう場所で、誰に対して、どんな風に言うのかをそのまま覚えてしまえばいいわけだ。

子育てをしているとこういうハッとさせられる場面が数多くある。
親は子どもから本当にたくさんのことを学ばせてもらうことになるんだな。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?