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好きなことで英語を習得~格言編~

英語力維持、向上の一環として、洋画/海外ドラマや好きな俳優のインタビュー動画/記事をよく見るのですが、その中で気に入った台詞や好きな俳優のインタビュー内でのかっこいいフレーズを都度メモしています。自分が「かっこいい!」と思った文中の単語や言い回しは自然と覚えることができるので英語学習の面でも役に立ちますし、教養としても身に着きます。また、日本語の格言にも良いものは沢山ありますが、英語の格言は言語の性質上からかストレートに突き刺さるものや少し気障に聞こえるくらいメッセージ性の強いものが多いように感じます。

“I am the master of my fate 
I am the captain of my soul” 
私が我が運命の支配者であり
我が魂の指揮官である

 これは19世紀のイギリスの詩人、ウィリアム・アーネスト・ヘンリーによって書かれた韻文詩の最後の一部なのですが、大学生の時に目にしてから今までずっと、私の人生の座右の銘となっています。この詩は映画インビクタス/負けざる者たちの中でも、ネルソン・マンデラが反アパルトヘイトの活動で国家反逆罪として27年間投獄された際に心の支えとしていた、ということで出てきていたので知っている人も多いかもしれません。作者であるヘンリーは骨結核により十代で足を切断しなくてはいけなかったことから運命に屈しない気持ちを詠ったそうです。私自身は幸いにも大きな病気を患ったこともなく、国家反逆罪で投獄されたこともなく、過酷な運命に振り回されているわけでもないのですが。それでも日本社会で生きていると世間の目、時代にそぐわない謎のルール、「常識」という名の古い価値観、出る杭は打たれる風習、エトセトラ、エトセトラに自分のfate(運命)やsoul(魂)を支配されそうになることがあることに、昔は生きにくさを感じていました。しかし、この詩に出会ってからは何か大きな選択をする時は常にこの言葉を思い出すようにしています。誰と食事に行くかや自分の時間をどう使うかなどの日々の生活の中での小さな選択においても常に頭の片隅にはこの言葉があります。行きたくない人との飲み会に行くことも、無駄な人間関係に神経をすり減らしたりすることも無くなりましたし、自分のやることを周りから否定されることも気にならなくなりました。そうしたらグッと生きやすくなって、他人が気にならず自分の人生に集中することができるようになりました。こういった自分の生涯の軸になる言葉と出会えるというのは幸せなことだなあ、と思います。

せっかくなので詩の全文を載せておきます。
余談ですが、韻文詩なので隔行ごとに文末で韻を踏んでいます。

 Out of the night that covers me,
Black as the pit from pole to pole,
I thank whatever gods may be
For my unconquerable soul.
私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私はあらゆる神に感謝する
我が魂が征服されぬことを 

In the fell clutch of circumstance
I have not winced nor cried aloud.
Under the bludgeonings of chance
My head is bloody, but unbowed.
無惨な状況においてさえ
私はひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされ
血を流しても決して屈服はしない

 Beyond this place of wrath and tears
Looms but the Horror of the shade,
And yet the menace of the years
Finds and shall find me unafraid. 
激しい怒りと涙の彼方に
恐ろしい死が浮かび上がる
だが、長きにわたる脅しを受けてなお
私は何ひとつ恐れはしない

 It matters not how strait the gate,
How charged with punishments the scroll,
I am the master of my fate,
I am the captain of my soul. 
門がいかに狭かろうと
いかなる罰に苦しめられようと
私が我が運命の支配者
私が我が魂の指揮官なのだ

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