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「夏越の祓」について考えてみましょう


「国宝久能山東照宮における夏越の祓」(写真は過去のもの。出典は「国宝久能山東照宮 公式」のSNS)


夏越の祓(なごしのはらえ)は、日本の伝統的な神道行事で、毎年6月末日に神社で行われます。「名越祓(なごしのはらえ)」とも表記されることがあります。この行事は、半年間に蓄積された罪や穢れを祓い、心身を清めるための儀式です。

起源と意味

「夏越の祓」の「なごし」という言葉は、「和(なご)し」に由来し、神の心を和らげるという意味があります。この行事は、古代から続く伝統であり、日本の文化や精神性に深く根ざしています。夏越の祓は、半年ごとに行われる大祓(おおはらえ)の一環であり、もう一つは年末の「年越の祓(としこしのはらえ)」です。

儀式の内容

儀式の中心には、「茅の輪(ちのわ)」をくぐるという行為があります。茅の輪は茅草(ちがや)で作られた大きな輪で、これをくぐることで心身の穢れを祓い清めるとされています。以下に、一般的な儀式の流れを説明します。

  1. 茅の輪くぐり: 参加者は、神社の境内に設置された茅の輪をくぐります。この際、「左→右→左」の順で三度くぐるのが一般的です。これは、「無病息災」「厄除け」の祈願を込めています。

  2. 祓詞(はらえことば): 神職が「祓詞」という祝詞(のりと)を唱え、参加者の罪や穢れを祓います。

  3. 形代(かたしろ): 参加者は自分の穢れを形代(紙人形など)に移し、川や海に流す、または焼くことで祓います。

現代の夏越の祓

現代でも多くの神社で夏越の祓が行われ、多くの人々が参加します。この行事は、単なる儀式以上のものであり、心身のリセットや新たな気持ちで後半の半年を迎えるための大切な節目となっています。

まとめ

夏越の祓は、日本の伝統的な儀式であり、半年間の穢れを祓い清めるための行事です。茅の輪くぐりや祓詞、形代などの儀式を通じて、人々は心身の浄化を図り、無病息災を祈ります。この行事を通じて、日本の文化や精神性の一端を垣間見ることができます。

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