日常生活でよく使う「これだけは覚えておきたい『ことわざ』『言い伝え』『故事成語』」(第7回)
「二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず)」ということわざの正確な起源は明確ではありませんが、代表的な説としては、狩人の話があります。
狩りをしていた若者が2匹のうさぎに遭遇しました。一度に2匹捕獲ができたら生活が楽になるだろうと考え、2匹同時に捕まえようとしたところ、結局は1匹も捕まえることができず、逃がしてしまったというところから、このことわざが生まれたとされています。
あれもこれもと、欲を出して同時進行をしようとすると、どれも成し遂げられなくなるか、あるいはどれも中途半端で終わってしまうので、欲は出しすぎないほうがいいという戒めのことわざでもあります。
そのため、このことわざは、どちらかに絞っておくべきだったと後悔する場面で使われることが多く、否定的に嘆く場合に頻繁に利用されます。
「花より団子」とは、その文字の通り“美しい花を見ているよりも、おいしい団子を食べていたほうがいい”という意味であり、自然の風流や芸術を理解していない人に対する皮肉の表現として使われることもあります。
“花”や“団子”というのはあくまでもたとえなので、「見栄えや虚栄よりも実益のあるほうを好む」という意味で、さまざまな場面で用いられています。
「花より団子」の由来は“お花見”から来ているとされています。
お花見という文化は古くからありますが、庶民の行楽として行われる際にお花見をしながら団子を食べていたというのが由来になっています。
また、江戸時代の「いろはかるた」の一句に“花見をしながら、花よりも団子を好む”というものがあり、それも由来のひとつとされています。
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