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「どうぞ」、「どうか」、「何卒」(なにとぞ)の使い分けについて


『明鏡国語辞典 第三版』「どうぞ」の項目

今回は、「どうぞ」と「どうか」、「何卒」(なにとぞ)のそれぞれの表現のニュアンスと使い分けについて、詳しく説明していきたいと思います。

1. 「どうぞ」

「どうぞ」は、日常的によく使われる言葉で、比較的柔らかい依頼や勧め、または相手に許可を与える際に使われます。この言葉は、相手に対する思いやりや丁寧さを示しつつも、依頼や勧めを気軽に伝えることができるため、幅広い状況で使用されます。

  • 依頼・勧め: 「どうぞお召し上がりください」

    • 相手に何かをすることを勧めるときに使います。たとえば、お客さんが家に来たときに「どうぞお茶をお召し上がりください」と言うことで、相手をもてなす気持ちを表します。

  • 許可・承諾: 「ここに座ってもいいですか?」「どうぞ」

    • 相手が何かを求めたとき、それに対して許可を与える意味で「どうぞ」を使います。これにより、相手に自由に行動してもらうことを促します。

  • 祈願・お願い: 「どうぞよろしくお願いします」

    • 依頼や願いを伝えるときにも使います。「どうぞよろしくお願いします」というフレーズは、ビジネスシーンでも頻繁に使われ、相手に協力を求める際の柔らかい表現です。

2. 「どうか」

「どうか」は、相手に対してより強くお願いや懇願する際に使います。この表現は、緊急性や切実さが伴う状況で使われることが多く、聞き手に対して感情的な重みを持って訴えかけます。

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