元アルビ戦士、栄光のセレソン入り

「元」アルビレックス新潟のプレーヤーのニュースがまた、聞こえた。

2017年に所属していたブラジル人プレーヤー、チアゴ・ガリャルドがブラジル代表に選出された。31歳にして初選出であり、サッカーの世界でも最高峰の「チーム」であるブラジル代表のメンバー入り。アルビサポーターならずとも、そのニュースには目と耳を傾ける人が多いだろう。

アルビレックスサポーターにとってはその名前を聞くと、いささか複雑な思いが蘇る。クラブ史上初のJ2降格となってしまった2017年時の所属外国人だったこと、さらにはシーズン途中での退団時の「ゴタゴタ」なども未だに忘れずにいるファンも少なくない(また、同時期に所属していたブラジル人選手も、様々な経緯からアルビとの裁判沙汰になったことも輪をかけているかもしれない)。

それでも、かつてのアルビ戦士がカナリア色のユニフォームにまで登り詰めたニュースは純粋に喜ばしいことである。今季はインテルナシオナウに所属し、ブラジル全国選手権で得点ランキング1位の活躍らしい。新潟でも中盤、そして前線に位置する攻撃的なプレーヤーであり、確か背番号10を背負っていた。あのとき、もう少しだけ良い方向に、チームの歯車が噛み合えば……、色々と思い出す。

歴代の所属ブラジル人ではアンデルソン・リマやコルテースなど、「元」セレソンも在籍した。何れも、新潟がJ1を舞台に戦っていた時代であり、それぞれのプレーヤーの入団前から、カナリア色のユニフォームを身に纏った経歴を持つ選手の獲得というニュースが伝わると、それだけでサポーターの胸を躍らせた。

また、中盤で攻撃の中心となりクオリティの高さをみせ続けたマルシオ・リシャルデス、現在も鹿島アントラーズで活躍し新潟時代より驚異的なボール奪取能力に長けていたレオ・シルバといった、Jリーグでもトップクラスに位置付けられていた選手でも、ブラジル代表に辿り着いていないことなどをみても、そのハードルがいかに高いものであるかを痛感させられたりもした。やはり、サッカー王国、ブラジルの代表という地位は別格なのだ。

今回、ガリャルドは2022年カタールワールドカップ予選のメンバーとして招集されている。王国ブラジルと言えど、厳しい戦いが予想される南米予選突破への戦力として、初代表の31歳のプレーを追いかけてみたい。その先に続く、更なる大舞台に立つことも願いながら。

ただ、やはり「元アルビ」という見方を変えられない自分もいる。今日、アルビレックス新潟はホームでジェフ千葉に0-2で敗れた。遠かった昇格が、さらに離れていった。(佐藤文孝)

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