小説「あのこは貴族」 居心地の悪さこそ自由の証なのかもしれない
私は都内にある某私立女子大に進学し、それから10数年後、紆余曲折あって今は生まれ育った地方都市に暮らしている。
当時私の通っていた女子大は、東京生まれ東京育ちのお嬢様から、私のような地方出身者まで幅広い女子が通っていた。
だが、たまたま私の友人の9割は、都内あるいはその近郊から通う、実家暮らしの生徒だったので、地方から上京してすぐに一人暮らしをスタートした私は入学早々、「私だけみんなと違うのかも」という孤独感を感じるようになった。
幸いにも、2歳年上の兄が近くの大学に通っ