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氷の洞窟の中で

氷の洞窟の夢を見た。

厳密には洞窟というよりも、氷と水に覆われた街の夢。

線路が地面からせり出すように通っていて、その道をボロボロの木造の電車が走っている。車は電車とすれ違うと危ないので、電車が走る合間を見計らって、同じ道を通る。

夢の中の私は、友人が運転する車に乗り込み、街を走っていた。電車が走り去ったタイミングで、電車がとおってきたであろう急斜面と急カーブを一気に走り抜ける。

タイミングが悪かったのか、電車がぶつかりそうになる。
ほんっと危ないよね、ふざけてんのかここは、と文句を言いながら、車を走らせている私たち。

高架下は冷たい水が広がっていて、建物が沈んでいる。その池(湖のような大きさだが)には、氷の塊が浮いている。私たち生身の人間は、そこを渡りながら歩く。が、氷の塊は不安定で、すぐ転んで溺れそうになる。いつも危険と隣り合わせである。


私と友人は、あるところに向かっていた。
地下のホールのような空間。しかし、そこは何十年も使われていない。柱は朽ちかけて、床も埃がたまっている。

なぜそこに向かっているのかはわからない。
でもなにかミッションがあったはず。思い出せない。

地下では、数人の女の子たちがダンスの練習をしていた。こんな寒い中すごいね、と通り過ぎ、私たちはひたすら歩き続ける。


歩き続けると、一面水だらけの場所に出た。水に浮く氷の塊を渡りながら、ふっと懐かしさを覚える。

ここはずうっと昔、父と来たことがある気がする。そのときも同じように、芯から冷える街だった。
あのときは、危うく水に落ちかけて、危機一髪のところで父が助けてくれたのだった。


考え事に気を取られ、氷の上でバランスを崩し動けなくなる。友人が手を差し伸べてくれる。

一緒に氷の上に立ちながら、街を見つめる。

古いカメラで写真を撮る。
氷、氷の隙間に落ちている古びたチケットとリュック、使えなくなった携帯電話。

氷に覆われ、廃墟のような街なのに、一応新しいものはポツポツできていて、すき家なんかもあるらしい。不思議。

道の端に停めていた車に乗り込み、帰路に着く。今日はなんだかまだ終わってほしくない。まだ冒険していたい。


何度も繰り返し見る夢がいくつかあるのだが、この夢は初めてかもしれないな。現実で、なにかあったかな?

そういえば、今年は雪の写真を撮っていないのを思い出した。どこかで撮れるといいなあ。

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