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文劇5ゆるい感想(ネタバレあり)

9/11に舞台「文豪とアルケミスト 嘆キ人の廻旋」を観劇してきました。
今回は東京公演楽日のマチソワ観劇です!

はじめに

前作は残念ながら手持ちの公演が中止になってしまい、ほぼ1年ぶりの文劇。
今回は東京の配信も観られなかったので、完全に会場で初見です。
昼公演は下手サイド(段差なし)、夜公演は上手サイド寄り(段差あり)でした。
昼公演のあれこれは割愛。アンケートには書きました。
大阪配信はディレイだけでも観ようかな……。
何はともあれ、東京公演が中止なく駆け抜けられたことは本当に良かった!大阪も無事に駆け抜けられますように!

キャラごとのゆるい感想

芥川龍之介

ゲームの芥川が動いたらこんな感じだろうな……というのをいつも見せてくださる久保田さんの芥川。今回はちゃんと煙草も吸えてましたね!
過去作では憧れの存在、1人の作家としての芥川龍之介という印象。
今作の芥川は、友人や師に囲まれた何者でもない1人の人間としての芥川龍之介という印象を強く受けました。
夏目先生に駆け寄るところなど、本当に若々しくめちゃめちゃ可愛かったです。ここが木曜会か。
これからは久米と将棋を指してほしいですし、菊池ともたくさん話をしてほしい……そして夏目先生とは甘いものたくさん食べ歩きして……
ラスト、明るい声で、しかも覚醒衣装で出てくるのはずるすぎた。

菊池寛

カテコで喫煙するなんて聞いてない。
火つける所から見せてくれてありがとうございます。

気づいたらカートに個ブロが入っていた男。
先端に剣は付いてるしすごく扱いが難しそうな武器での立ち回り、堪能させていただきました!しゃがむし振り回すし大変……
芥川と久米の間にいると、調停役というわけではないけれどなんというかクッションのような役割になっている印象でした。
兄貴兄貴しているのも見てみたいので、新感覚揃えてほしい。

久米正雄

久米がいる……と思ったんです。ゲームの久米ならこんな感じに喋るな、動くな、というイメージを具現化してくれていた。
安里さんは泪橋ディンドンバンドぶりなので本当に久しぶりに拝見したのですが、お芝居が自然というか、違和感がないというか。
前半がなんかもう見ててつらくなるくらいギスギスしていたので、後半の「芥川君」と呼びかける時の声が、とても穏やかでつき物が取れたような声で胸がきゅっとなりました。

夏目漱石

寿里さんの夏目先生、とてもよかった……
あの穏やかな声で「龍之介君」「久米君」と呼びかけるのが最高でした。
完全に新思潮世代の門下に対する時の夏目先生。ありがとうございます。
寿里さんの長い手足に、すらりとしたストライプのスーツがとても似合っていて。
昼公演は下手サブステが近かったため、胃を抑えている様子をガン見。
犀星とのやりとりも可愛らしかったですね!
穏やかな姿勢はそのまま、けれども譲れないところはしっかりと持っていて。
ああ、芥川の慕っている人なのだなという印象も受けました。
この夏目先生と子規のやりとりも見てみたい~!

江戸川乱歩

カテコでサブステから出てくる(昼公演)
カテコで照明さんのライトが派手に移動して本舞台から登場(東京千秋楽)
フリーダムだな!?
ついにポー様も登場し、なんというかファン全開だったな~と。
乱歩というか、平井太郎出てませんか?
昼は見えなかったのですが、居酒屋みたいな場面でけっこういろいろ面白いことしていたのですね……クラッカーって何……
安定の鞭捌きは素晴らしかったですし、帽子をぶん投げるし立ち回り最高でした!
狂言回しというわけではないけれども、作中の潤滑剤のような役回りだなと。

室生犀星

鯛ちゃんのバク中からしか得られない栄養ってあるよね。
今回の犀星は誰かに寄り添っていることが多かったな、という印象。
夏目先生へお茶を出したり肩を貸したりといったものから、久米の心への寄り添いも含めて、世話好きというか、放っておけないというか、じんわりと優しい詩人だったな~と。
そういう役を嫌味なく見せてくれて、更には力強いアクションまで!
鯛ちゃんがいると舞台が引き締まるな、と劇場で拝見するたびに強く感じます。

エドガー・アラン・ポー

下手サイド、開始早々ポー様。
美しいお顔を至近距離からオペラグラスで拝見させていただきました。
立ち姿も堂々としていて、王だな~って。
腕組んで立っているだけで格好いいし、椅子に座って本を読んだり書類を書いてるだけでも絵になるって何?王です。
ゲームでお迎えしたのが遅く、正直文アルのポーというキャラクターをあまり理解していないのですが、立ち絵や台詞から受ける堂々とした印象そのままに動いていて素敵でした。
問題解決のために効率よく動いている印象。こまめに司書にも報告に行っているし、報連相ができる文豪……霊長類最強……
あと、鞭捌きプロじゃない?なんか新しい扉開きそうになりました。
意外とやる時はノリがよくて、大衆小説家だなって。
鷲尾さんは今回初めて拝見した役者さんなのですが、千秋楽のご挨拶の声が意外と高くて驚きました。

ハワード・P・ラヴクラフト

ティラミスチョコいっぱい食べてて可愛かったですね!
はわわもお迎えしたのが遅かったキャラクターの1人かつクトゥルフ未履修なのでゲームのキャラクターをあまり理解していないです。
イベントのポー様とニコイチのイメージが強い。
あの武器どうするんだろうって思っていたら、フラフープ(腕でまわす)だったのがすごかった。突起付いているし、扱いが本当に難しそう……変なとこ吹っ飛ばしたら危ないし。
夜公演で「I'm hungry」って言ったから合コンの菓子みたいな量出てきたのかと思ったら、あのティラミスチョコ山盛りはデフォルトと聞いてびっくり。
小林さんは刀ステぶりなのですが、やはり大きい……股下100 cmはすごい……

アンサンブルさん

今回も、侵食者、小説や過去のエピソードの人物、客や店員など大活躍だったアンサンブルの皆さん。
開始早々の紙を撒いた後にさりげなく回収するところが実は好きです。
あと、毎回文豪キャストに武器をさりげなく渡すところもとても好き。
今回はアンサンブルさんのお芝居もたくさん拝見することができてとても楽しかったです!
特に居酒屋場面での、上手サブステで椅子を2人ではんぶんこしながら座って本を読んでいた様子はついつい見てしまいました。

公演の感想

昼公演が舞台中央(前方)がほぼ見えなかったため、夜公演は中央こんなんやってたのか!という驚きの連続でした。席によっての情報量が違いすぎるのよ。
日本の文学と海外の文学、純文学と大衆小説、光と影といった対になるものが今回のキーワードなのかな?と。
そしてラストは、これからも戦いは続くけれども清涼感を感じる終わり方で。観ていて心地よかったというか、一言でいうと、楽しかった!
昼公演は話に置いていかれたような気持ちに少しだけなってしまったのですが、夜公演の後はくやしいけれど面白かった……!!という気持ちでいっぱいでした。

演出のこと

毎回どんな演出を見せてくれるのか楽しみなのも文劇。
後方の影の演出が今回は特に印象的でした。劇中の台詞にも「光があればそこに必ず影が生まれる」みたいなことがありましたし、意識して影を使っているとは感じました。
はわわのうねうねしてるやつとか、影絵のような使い方が面白かったです。
表情がわかるとついそちらに注目してしまいますが、影絵のように映ることで、事実のみ受け取れるような気もします。
そして布と縄!今回も上から布は降ってくるし、焼けた布……?と思ったら「こ々ろ」と書いてあったり、赤い布を炎に見立てたり。
縄も大活躍でしたね!久米と芥川の立ち回りで一太刀浴びせる毎にその赤い縄が芥川に絡み付いていくのは、負の感情を取り込むというのがとても視覚的にわかりやすかったな~と。わざと自分を斬らせるような動きもあったように見えました。角度か気のせいかも?

犀星が客席のほうに向かって「こーんなに読まれてる!」と言っていたのも、客席を大衆というか読者に見立てているんだろうな、と。
こうやって作品に巻き込まれるの、嫌いじゃないしむしろ大好き。
舞台ならではの演出を体験すると、ほんと現場で観劇するのは楽しいなと改めて実感しますね。

対比

大衆小説と純文学の台詞については、私は読者側にいることが多かったのでちょっともやっとするところがありつつも、自分の中の気持ちを整理するために文章を書いているのも事実だし、誰かが読んで共感してくれたら嬉しいのも事実。現に、今こうしてnoteを書いているわけです。
改めて昔から慣れ親しんできた作品を思い出してみたけれども、圧倒的に海外作品、どちらかといえば大衆小説に分類されるジャンルなんですよね。
今まで自分の中で小説を分類するときに、日本の作品と海外の作品という視点で考えることがほとんどで、純文学と大衆小説というくくりで考えたことがほぼ無かったことに気づきました。

おわり

色々ありましたが、何より久々の文劇楽しかったんだよな~!
本当に怪我なく中止なく東京千秋楽を迎えられて良かった!
大阪では更にクオリティ上げてくるでしょうし、やっぱり配信買おうかと思います。



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