少し怖くて、優しい物語

 こんにちは、今日の書評を担当する華です。

 9月に入ったというのにまだまだ暑い日が続いていますね。暑い日の読書といえば、ホラー小説がよく取り上げられますよね。今日は私のお気に入りのホラー小説を紹介したいと思います。

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『幽落町おばけ駄菓子屋』 蒼月海里(著)

 このお話は妖たちが生活している町、「幽落町」に主人公の男子大学生がちょっとした手違いで住み始めるところから始まります。
 町には店番をする化け狸、買い物をするろくろ首、豆腐を売る豆腐小僧などの様々な妖怪が暮らしています。

 主人公の御城彼方(みじょう かなた)、駄菓子屋店主の水脈(みお)、彼方を幽落町に連れてきた猫目ジロー(ねこめ ジロー)の三人がメインで物語は進んでいきます。幽落町には妖怪のほかに「ケガレ」と呼ばれる死んでなお、成仏できずにいる人間も迷い混んできます。
 そんなケガレの成仏できない理由を探しあて、三人は迷い混んできたケガレたちを成仏させていく、それがこの小説の主軸となっています。

 文章は比較的分かり易く書かれているため、幅広い年代の方におすすめできる作品です。ホラー小説という括りですが、ものすごく恐ろしいということもなく、手軽に読める小説になっています。

 また、タイトルにもあるように、この小説の中にはたくさんの駄菓子やお菓子が出てきます。読んでいる最中や、読み終わった後についついお菓子に手が伸びてしまいます。実際に売っているお菓子も数多く登場しているので、買って、登場人物たちと美味しさを共有するのもおすすめです。
 もしかしたら、自分の好きな駄菓子が出てくるかもしれないですね。

 ふみくら倶楽部 3年 華

honto:
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