自分の気持ちに嘘をつく

　李（すもも）も桃も、桃のうち。という言葉遊びがあるけれどアレは本当ではないんだそうで、地味に信じそうな嘘は気が付きにくいので御免蒙りたい。現代人類のある筋での分類上は、別の仲間なのだという。それはそれとして。

　自分の気持ちに嘘をつくというフレーズは、実はどちらかというとこうしたいのだけど諸事情あって別の選択をした場合などに使われる。すなわち「どちらかというとこうしたい」が本音、「別の選択」が嘘ということになるのだけれど、これが私がモヤっとするのは、このとき嘘を選んだ私はその瞬間の私に他ならないからなのだと思う。本当の自分は、いつだってそこにある気がするからだ。

　夜中に白米が食べたい私も、我慢せよと抑える私も、関係ないけど首が痒いなと思う私も、明日に備えて眠ったほうがいいかと悩む私も、ちょうど今、ごっちゃに抱えて生きているようです。