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「〇〇に行きたい」は心が回復している証拠

はじめまして。ふみ子といいます。

初対面で突然ですが、私は心が壊れた経験を持っています。
今はかなり良くなり、以前とほぼ変わらない暮らしを送れていますが、特に2021年度は暗黒の1年でした。

ようやく当時のことを振り返っても心が苦しくならなくなってきたため、
以前より憧れていた「note」という形で、あの頃を振り返ってみようかと思います。

それ以外にも、日々思ったこと・感じたことを日記のように記していけたらと思っています。



さて今回はタイトルの通り「〇〇に行きたい」は心が回復している証拠、というお話です。

心が壊れた経験のある方はわかるかと思うのですが、そもそも心が壊れると「〇〇がしたい」という気持ちがなくなるんですよね。

国内はもちろん、大学在学時2度留学するほど海外も含めて「旅行」が好きだった私ですが
心が壊れた2021年春は家から出ることすら怖かったです。
「歩いて5分のコンビニに行くのも怖い」ので、「〇〇に行きたい」だなんて一ミリも思いませんでした。

親の協力のもと、数ヶ月は実家に引きこもり、たま〜に犬と家の周りを10分ほど散歩をする日々を過ごし
徐々に徐々に外へ出られるようになってきたある秋のことです。
私はある漫画と出逢いました。

それは、「ゴールデンカムイ」という漫画。
明治時代の北海道が舞台で、アイヌの文化が色濃く描かれています。

私の実家は北海道にあります。
地元愛が強い父親が漫画を全巻集めていて、気になっていたのですがタイミングがなくてずっと読めていなかった。

実家で半ば引きこもりをしていたその頃、時間が有り余っていたので「ゴールデンカムイ」を読んでみました。
そしたら、面白いこと面白いこと。。。

感想については脱線するので省略しますが、とにかく私は「ゴールデンカムイ」と「アイヌ」の文化にどっぷりとハマってしまいました。

そのタイミングで、母親が札幌に出張をすることになりました。
私はその時、心が壊れて以来はじめて「札幌に行きたい」と思ったのです。

札幌(正確にはその隣の江別市)には北海道博物館があるのですが、
そこにはアイヌ文化の展示があるのです。またすぐ近くの「北海道開拓の村」はまさに「ゴールデンカムイ」のモデルとなった世界(時代?)が再現されています。

「行きたい」と思いました。

そして、母親にくっついて、札幌に行きました。

札幌滞在中、もちろん母親は仕事があるので一人で行動しなければなりません。
親と一緒なら外出できるようになってはいましたが、一人となると話は別でした。

1日目、札幌の大通り駅から博物館行きの電車に乗ろうとしました。
けれど、改札に近づくだけで動悸がして呼吸が浅くなっていきます。
結局、1時間ほど近くのベンチに座るだけで、ホテルに逃げ帰りました。

2日目、今度は心が落ち着く本(いずれ紹介します)を持って、ちゃんと薬を飲んで、万全の態勢で駅に向かいました。

昨日は改札前でベンチに座っちゃったからダメだったんだ。何も考えずにとりあえず改札内に入る!

と心に決め、えいやっと改札内に入り、その勢いで電車に乗り込みました。


心が壊れてから、一番怖かった電車に乗れたのです。
これは、私にとってとても大きな成功体験となりました。

乗ってからはただひたすら本に集中し、時間を過ごしました。
博物館の最寄駅に着く頃には動悸もおさまり、呼吸も普通にできるようになっていました。

それからは北海道博物館と開拓の村を楽しみ、存分に「聖地巡礼(?)」を行いました。


「〇〇したい」のパワーってすごいなと思いました。
そして、私にとって「〇〇したい」と思えたあの頃は、今思うと心が回復してきていたんだな。とも思いました。



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