Tシャツを制するものがファッションを制する!

誰もが必ず持っているTシャツですが、情熱とこだわりを持って買う人は半分もいません。その理由は、特に女性に関してはカットソーを始め、トップスの選択肢が広いため。もちろんTシャツをオシャレに着こなしている人も沢山いますが、印象はカジュアルであり、一般的にはきれいめを好むコンサバ層が多い日本では、普段着や部屋着、若い子のカジュアル、という認識がまだまだ高いのが現状です。

ただ、今年はTシャツが非常な進化を遂げています。とりあえずTシャツでいいやはもう終わり、今季はTシャツを主役にした簡単かつ即、まわりと差のつくコーデに挑戦しませんか?

なぜTシャツがフィーチャーされたの?

各社、Tシャツ素材のトップスがここまで沢山出ているのは、コロナの影響一択だと思います。洗濯機で洗える素材、お出かけ需要の激減、自宅や近所スタイルの大幅な見直しなど、リラックスカジュアルの延長で、カジュアルアイテムだけど、カジュアルすぎない装いにしたい、というややこしいニーズに合わせられています。

ゆるTシャツがスタンダードになったけれど。

ここ数年、ジェンダーレスの流れを受けて、Tシャツをはじめ、男女ともに着られるものはユニセックスなアイテムとして販売することが多くなりました。その派生で、ゆるいサイジングのTシャツを着ることが普通となり、レディスオンリーのブランドでもドロップショルダーで着丈の長いゆる見えTシャツが出回り、カジュアルなオシャレアイテムとして市民権を得ました。

とはいえ、カジュアルが得意ではない人や働く女性、きれいめが好きな人にとって、このゆるさは苦手なシルエットであり、かつ手持ちのボトムとも合わせにくいため、手に取りにくいという声が多かったのも事実です。

そして今年、こんなの欲しかったが揃った!

前置きが長くなりましたが、いよいよ本題に入ります。

今年はぜひTシャツをドレッシーに着よう! をテーマにして下さい。今っぽいTシャツ選び方と着こなし方こ傾向と対策をレベル別にレクチャーしていきます。

レベル1.マストはジャストフィットの丸首Tシャツ!

ぴったりのTシャツって古いシルエットそう……と思わないで下さい。今季、ピタピタのものはほとんど出ていないので、安心してジャストサイズを選んで下さい。ワンサイズ上を買う方がいいの? など悩まなくて大丈夫。自分の肩に合ったちょうどいいサイズを買って下さい。迷ったらベーシックな白と黒のいずれかを選びます。

下の写真は、ごく普通のラウンドネックTのコーデです。非常にシンプルな作りと定番カラーですが、肩幅が合っているため、カジュアルに見えません。また、全身のシルエットは逆Yを意識。ボトムにボリュームを持たせて、女性らしいシルエットにするのが、Tシャツの見栄えグレードを上げる重要なポイントです。

↓白は思い切ってアクセントカラーを持ってくるとカジュアルさが中和されて今風のスタイルに。デニムなどの同じ綿素材ではなく、麻やタフタっぽい異素材を合わせるだけで、ちょいお出かけスタイルにスイッチします。

画像3

↓黒は白よりもドレッシーに着やすいカラーです。柄物やフレアスカート、マキシスカート、ワイドパンツなど、重心が下に行くものを選ぶとドラマチックに決まります。

画像2

レベル2.ペールトーンカラーに挑戦!

ぼやけた印象になりそうなペールトーン。いわゆる淡いカラーですが、実はTシャツは素材上、色が強いほどカジュアル感が出るアイテムのため、淡い色というだけで、カジュアルさが抜けます。また、今季のトレンドテーマはリラクシーなので、力の抜けたペールカラーが気分にフィット、驚くほどアカ抜けて見えます。

↓UNIQLO Uの淡いピンクのTシャツ。普通、デニム合わせは超カジュアルになりますが、ジャストなTシャツの形、そしてペールトーンのピンクで程よく大人のリラクシーカジュアルに落とし込めます。オックスフォードシューズでメンズライクにすることで、ピンクの甘さを見事にカバー。他にはぺたんこシューズやトングサンダルでも女性らしくなります。ヒール合わせは今年っぽくないので、ヒール派の人はヌーディーなヒールサンダルなどを選ぶのがベターです。

画像3

↓淡いパールブルーに同系統の寒色であるミントを合わせた上級者のカラーリングですが、もし手持ちで淡いカラーのボトムがあれば、ぜひ同系色のTシャツでチャレンジを。想像以上に抵抗なく、かつエレガントなコーデになるはずです。安価でオシャレの幅が広がるのもTシャツのメリットです。

画像4

レベル3.全てを満たすひとくせTシャツ!

今季とにかく多いのが、あしらいのあるTシャツ。ここ1.2年、カットソーやニットのカテゴリにいたパフスリーブやフリル袖、ペプラムなどが今春、Tシャツ素材で大量にリリースされました。きちんと見えするのにまるっと洗濯ができてシワ知らず、惜しみなく着られるTシャツ素材はみんなの味方ですね。

↓言わずと知れた大トレンドのパススリーブ。Tシャツでも仕事にも来ていけるディテールです。素材的に、盛りすぎてパワーショルダー見えして肩がごっつく見える、なんて心配もありません。

画像5

↓カジュアルなTシャツ素材ならフリル袖でもやりすぎ感ゼロ。何段にも重なるドレッシーなフリルも楽しめます。カジュアルなTシャツを逆手に使って、思い切り甘いテイストを堪能できるのも◎。

画像6

レベル4.無地以外ならグラフィックTシャツに挑戦!

こちらは応用編となります。無地だけではなくロゴやイラスト、ボーダーなど、Tシャツは毎年エポックとなるデザインがありますが、今季は断然グラフィック(写真柄)Tシャツ。

無難な白にモノクロのグラフィックがオススメです。不思議と少しダサめな方ががオシャレに見えるので、あまり深く考えずに挑戦を。ただ、首元は詰まった丸首の方が洗練されて見えるので、そこだけはチェックして。

↓ファッション誌ではどの年齢ゾーンでも、セットアップのインナーとしてグラフィックTを着るコーデを提案していました。それだけやりやすいスタイルなので、手持ちにジャケットがあれば真似してみても。合わせるボトムは、ワイドパンツやショーパンにすると大人のシャレ感が出ます。スカートだとやや野暮ったく転びそうな予感。

画像7

他には、ちょいださロックTも流行っていますが、年齢があがると、なぜかガチのロック好きな人に見えてしまうのでご注意を! ガチロック勢なら問題ありません。笑。

最後に柄Tでの注意点を。今年は避けたいのが赤ロゴの白T。一昨年流行し、昨年もよく見かけたタイプのため、今年着ていると確実にトーンが落ちます。もし今年も着たい場合は、ご近所やホームウエア、ジムやヨガで使うにとどめて楽しむのがよさそうです。

オシャレするその先にあるものが大切。

Tシャツ=カジュアル一辺倒、というのは古い概念です。定番で安価なアイテムだからこそ、進化し続けています。私にはTシャツコーデなんて必要ないと目を向けなかった所に新しい発見があるかもしれません。そして、それがきっかけで手持ちの服が新鮮になるかも知れません。

鮮度の高いコーデは、自分の気持ちを少し引き上げてくれます。何より、何も特別なことがなくても、少しだけ気持ちの上がる日が、洋服を着るだけで作れるのって結構すごいことだと思いませんか? しかも洋服は必ず着るものなので、頑張らなくてもチャンスは毎日訪れます。

隙なくオシャレするのは時代遅れ、なんて風潮もありますが自分なりのオシャレを考えた時、その先にあるものは、とても大きなものかも知れません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?