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自動化される樋門【河川の防災のはなし】

みなさん樋門って知ってますか?w 水門の小さいバージョンという認識でいいです。樋門は、田んぼとかに水を引いたものを川に流す役割をしています。いつもは全開で、逆に大雨になった際は川の水が増水して逆流する可能性がある際に全閉するといった具合で、水防団が対応するといった管理にらなってます。私のところにも2機あって委託を受けてやってます。今回はそんな話をしますね。

梅雨の時期の水防【ツール】

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私も、消防団で地域の水防を担っていますから、大雨には敏感です。地区(小さい集落)の班で樋門を2機、管理している感じ。なので、梅雨の時期には、日夜問わず大雨が降った際は上記のテレメーターで川の推移を睨みます。

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例として、違う街の玉名を取り扱いますが、ネット上で10分おきに現在の水位が表示されます。緑色の水防団待機水位になったら出動って感じです。動くのは、雨の状況、レーダーの状況をみて「あ、今夜くらい出動だな」と思ったら、みんなと連絡して人数を確保し水位が上がったら対応するって感じです。

だんだん、レーダーを読むのが上手になってきて、「これはなかなかくるぞ」みたいな予測がつくようになったりならなかったり。w

ガラケーの時代から使ってましたので、非常にこのウェブサービスにはお世話になりっぱなしだったりします。「はやく水位下がんねーかな」と、多分梅雨時期には多くの水防団がアクセスしており非常に人気のサイトでしょう。私もなんだかんだ、10数年使ってますが毎年つかってますしね。w


とはいえ、近年のゲリラ豪雨は頭を悩まされておりまして。梅雨時期のゲリラ豪雨はすぐに待機水位になることが多いんですよ。手持ちのスマホでチェックできるとはいえ、昼間の時間に水位が急にあがったら、仕事の調整をして駆けつけなくてはならないことがあります。ゆっくり上がるんだったらスケジュール調整はしやすいのですがね。こればっかりは自然なので難しいという状態です。

ちなみに、昨年は人吉豪雨あってますが、県北もまあまあ降りましてこりゃ人吉のようにいつなるかわかんねーなと感じるものでした。

氾濫注意水位、避難判断水位とかもなりますしね。。悩ましいものです。


自動化の波

そんな、梅雨時期の川の水位と格闘している私ですが、近年の話題のトピックは自動化でしょうか?

樋門のゲートには、確実に開閉ができ、十分な水密性を有する 構造とすることが求められることから、従来、操作の確実性に優れ ている「引上げ式樋門」(ローラーゲート、またはスライドゲート)が 多くの場合採用されてきた。しかし、引上げ式樋門は人為的な操 作を要するものであり、ゲート操作員の高齢化や後継者不足が問 題となっている。さらに、東日本大震災では、ゲート開閉操作に向 かった操作員が津波に流され、尊い命が失われた。これらのことか ら、操作員の安全を確保するとともに、迅速かつ確実に樋門ゲート の開閉操作が行われるように、ゲート開閉操作の自動化が進めら れているところである。引用元:https://wako-giken.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/2015/04/ccce4543da9c3a3eb4233e9cc4d2f712.pdf

このように、高齢化と後継者不足とあるように人口減少に伴い担える人が減っているというのが現状としてありますよね。なので、自動化の波は随分ときていると思います。

実際に、氾濫危険の水門現場は随分とリスクを背負ってる感じはいつもするので、高齢者ばかりのところはどうやってんだろう?とか感じます。


私たちの地区でも、一つの樋門が自動化されることになりました。まだ、実際のところどうなのか?ってのは、なってみないとわからないのですが2機中1機ということはどちらにしても出動はするからまだあんまり変わりないですが、将来を考えるとこの動きは非常に注目しているところです。


下記の資料とか読むと、確かに津波とかくる地域は遠隔操作できた方がいいですね。水門閉めてたら逃げ遅れる可能性が高いとか、そういうのも困ります。

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引用元:https://www.maff.go.jp/j/nousin/bousai/bousai_saigai/b_kaigan/pdf/tenpu2.pdf

災害は起こりうるという想定で生きていかないと、非常にダメージがでかいですからね。人口減少社会においての防災というのは、今後ますます重要性が高まってくるはずです。

自動化、遠隔操作化はもっと進んでいいでしょうね。オンラインの普及は選択肢が増えること。どちらもゼロリスクにはできないし、メリット、デメリットありますから、ただこれからの社会にあわせた対策が問われていると思います。

今年の梅雨、あんまり大雨降らないといいなぁ。。。汗


【この記事について】
Locally Driven Labs(LDL)のプロジェクトの1つ“地方のオンラインの普及と価値の創造“にて、オンラインツールの情報共有を記事にしています。地方で実践しているメンバーがオンラインツールの使用感などを話しており、参考資料しても活用できます。

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