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本日『改訂版 小論文のルールブック』発売

本日『改訂版 ゼロから1カ月で受かる 大学入試 小論文のルールブック』発売となりました。


読者の想定は、国公立&GMARCH&早慶上智&関関同立の小論文+事前提出課題が必要な受験生ですが、ショートカットすれば誰でも読めます。

この参考書では、分かりやすさも大事だけれど(類書は大体これかなぁ)、それよりも大事なことがあることを伝えたかったんですよね。

受験科目として小論文を捉えて、ゲームクリアすればいいという指導に飽きてしまいました。
楽に書ける、オリジナリティは要らない、云々…
分かりやすさがマスのニーズだとしても(それは満たしつつ)それだけに全振りすることを、私が良しとしなかったんです。

設問を通して「これはどういうこと?」「なぜ?」「これが起こるメカニズムはどういうもの?」と問いかけ、自身の学びを深めていくのが大事だと感じるんです。

中身をご覧いただければ分かるかと思いますが、この参考書は「入試制度」から紐解いた小論文の参考書です。
これは分かりやすさでは分からない、入試小論文の本当に大事なところなのです。
小中高大と一気通貫する「三観点」を読み解いた上で書きました。

そもそも「過去の知やロジックを批判的に眺めながら、どう善き未来をつくるか」をトータルで見ることができるのが小論文の試験特性だし、その解は無尽蔵にあるということです(ここでオリジナリティは自ずと出るし、「オリジナリティは要らない」というのは三観点の「学びに向かう力、人間性等」に該当する「批判創造思考」を発動させないことになるという大きなリスクを負うことになります)。

そして、この参考書を改訂しながら、本当に世界を生きる者として誠実に向き合っているか、と自らに問い続けました。

受験生の「大学」選びに踊らされている痛々しい姿を眺めながら…

「◯◯大学なら偏差値が高い(難度が高い)から」「この大学なら倍率が低くて受かりやすいから」「この大学はこういう宗派だから(その宗派への理解が表層的な状態)が、この話なら繋がると思って」といった受験生と数多く出会いすぎて、「またか…」みたいに思っていたんです。

最初は正直いうとこういう受験生や指導者を見て、ガックリしてたんです。

でも、そういうマインドにさせてしまうのが現状の日本の教育システムなのかな、とここ数年見方が変わりました。
そして、それを取り巻く受験産業、それらに組み込まれていることに気付かない人々の利害関係。

彼らには才能(インテリジェンス)があるはずなのにね。
それを開花しない、認められないのは、そういう網に絡まって雁字搦めになっているからなのかな。

これらをどうにかするということもやるけれど、そんなのを超えて、教育の世界をどうアップデートすればいいのかを、これからの10年考えたいんですね。

そういうことに、ここ数年で気づいたんですよね。
その過程で培ってきた学びを寄せ集めて、増補しました。

どういう眼差しで世界を見つめるのか、自分が見ている世界がどれだけ小さくて狭いのか、でも自分は才能の持ち主であること、それを自覚して利他も利己も考えられるようにするにはどうすればいいのか。
この本に出会った読者の方に(もちろん受験対応も大事だけど)そういうことを思考し、心豊かに自己と公共の世界を大切にする機会として捉えてくれたら嬉しいです。

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