批判に感謝する

今日の授業の話。企画案のプレゼンテーションとディスカッション。そのさい「その案以外の方法を検討しましたか?それらの案の中で比較検討し、なぜその案が優位なのか説明してください」と高校生に問うたのだけれど、「経験したことが最も確かだし信頼性がある。他の案は経験が不足しているから」との返答がありました。正直言って、自らの経験はごく限られたものであって、経験の外にもよき選択肢があると思うのだけれど…

彼には自らの案にもクリティークする必要があるし、そもそもその案やコンセプトを否定しているわけではないと返したところ、「他の案を考えていないわけではなく、そう言われるのは心外だ」と感情的に言われ、私からは「プレゼンテーションでその案の検討過程が示されていなければ、聞き手はわからない。だから質問したのだ」と返したわけなのですが…

これは批判的に捉えるトレーニングが足りていないから感情を剥き出しにして反論するのだなというのと、そうしたアドバイスに感謝するということが学べていない様子が窺えました。反論の受け止め方が上手な高校生はいるけれど、ごく少数。自分たちの意見をブラッシュアップしてくれるのは批判的な意見だし、感情的に論破しようとするのは成長に繋がらないな、と自分の修士の中間発表を振り返っても感じるところです。

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