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あのゾンビは何度でもよみがえる

Clubhouseやらないの? 何人かに聞かれたのだけどやってない。

なぜやらないのか。シンプルに心が動かないから。それ以上でもそれ以下でもなくて。おもしろそうな部分(新しくはない)もあるし、そうでもない部分もある。

とりあえずすぐに乗りたい人は乗るし、乗らない人は乗らない。否定も肯定もない。もちろん、楽しんでる人を揶揄するつもりもない。

そんなのは今回に始まったことでもなく、何かの新しいサービスとか事象が盛り上がるときはそういうものだと思う。

それでもあえて思考実験として考えてみて、心が動かないのにやるとしたら、どういう動機なんだろう。

やっぱりあれなんだろうか。みんながやってることを自分だけやってない焦燥感。取り残されそうな感じ。気持ちはわかる。やらないけど。

これはあれだ。FOMOだ。ちょっと古い概念だけど、人間の本質的には変わってないんだろう。

FOMOを教えてくれたのは当時シリコンバレーのテック企業(最近あまり言わないな)にいた人。

何度もSkypeでつないで話を聞かせてもらったのだけど、敷地には恐竜の骨格があったりカラフルなバイク(自転車)でキャンパスみたいなオフィスを移動するらしい。聞いたの2012年ぐらいだからもう10年ぐらい昔だ。

まだオンラインのコミュニケーションツールといえば、ほぼSkypeだった時代。思わず遠い目をしてしまいそうになる。

その人は、その後いくつかの企業を起してイグジットしたのちパロアルトでAI系デザインテックのCEOをしている。

で、FOMO(フォーモー)とは「fear of missing out」の略語で、「取り残されることへの恐怖」みたいな感じ。

2010年ごろ、つまりiPhoneとかのスマホを使い始める人が増えてきた世の中。それまでなら情報量としては多くなかった携帯かパソコンを立ち上げてるときにだけ世の中とつながってたのが、そうではなくなった頃にアメリカで知られるようになった概念だ。

四六時中、つながろうと思えばつながれてしまうツールと環境を手にして、完全な「自分だけの世界」にいる間も、自分が何か置いて行かれてる感覚に落ちつかなくなってしまう。

そういうFOMOな人が増えたのだ。

けど、それからもう10年とかが過ぎて、もうみんなすっかりいろいろ「当たり前」になって落ちついたと思ってたらClubhouseの件では、FOMOがゾンビのように目を覚ましてる。パーリ―のはじまりだ。

mixiも一緒に目を覚ましたけど、あの頃と今は情報の波が襲ってくるスピードが違う。なんだかんだmixiの頃はのどかだった。

mixiは結構初期ユーザーだったけど、こんなふうに一気に波が押しよせては来てない。なんだろう。まだ土を耕す余裕があった。今のClubhouseはそんなあほなこと言ってる場合ではないらしい。

これはどういうことなんだろう。