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古い未来の汽笛

古いものを「新しくつくる」ことはできない。
ちょっとなに言ってるのかわからないけど、たとえば蒸気機関車。

SLとも呼ばれる機関車だけど、もういまは基本的に新しく製造されていない。
なんでSLかというとSteam Locomotiveの頭文字を取って。文字通り、蒸気で動く機関車。

たぶん、乗り物にそんなに興味ない人でも、自分の横を四角いステアリングの新しいテスラが通り過ぎても気にしない人でも、もしSLが煙と蒸気を吐いて横を通り過ぎたら「見る」と思う。

それはたぶん「独特」だからだ。そして、古いアナログテクノロジーなのに「新鮮」さもあるからかもしれない。

21世紀もすっかり進んでAIと仲良くなれる時代だというのに、いまより昔の技術で蒸気機関車を「新しくつくる」ことは現実的に難しい。

なんでもできる時代のようだけど、じつはできなくなっていることも同じぐらい多いのだ。

技術が途絶えたとか、いまの仕組みだとコストが壮大にかかりすぎて無理とか、そういう現実的な理由だけではなくて、仮にいろんな困難をクリアして新しく蒸気機関車の新車をつくったとしても、それは「再現」であって創造性という点で「新しく」はない。

こんな鉄の塊を蒸気を上げて疾走させることを、もう誰も思いつけないのだと思うとふしぎな気持ちがする。

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※昔のnoteのリライト再放送です