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風の時代の「プロ」とは?

プロって何だろう。なんで太陽は明るいんだろう、なんで鳥は飛べるんだみたいなことを言ってるのかもしれないけど。

プロはプロだろ? 経験を積んで実力と実績があって、それで報酬が得られる人のことじゃないの。あるいは一般の人が持ってない専門分野の知識、能力、スキルがあって必要とされる人とか。

まあ、定義としてはだいたいそうなんだけど、ちょっとこれまでのプロ(Professional)を語るときの概念とは変わってきてるかもしれなくて。

プロがいなくなるとか必要とされなくなるとかではない。その「あり方」みたいなものが変わってきている気がする。

ちょっと話が飛ぶけれど、占星術界隈では2021年は「風の時代」のはじまりらしい。

僕はその界隈の専門家でもないので、あくまで「ふわっとした」話でしか理解してないけど「感覚」としてはなんとなくわかる。そういうの信じるとか信じないとは別の次元で。そこはみんな自由。

少しだけ自分の土俵というか自分に近いところで言うと、ビジネス界隈の経営者、起業家の話でもインタビューや取材をしてると「そういう感じ」は最近すごく出てくる。

風の時代とは言わなくても、これまでのビジネスを成り立たせてきたシステムだとか仕組みや文化、慣習いろんなものから「放れて」企業経営やビジネスをデザインしようとしてる。

これまでなら「絶対にあり得ない」組み合わせ、やり方をするようになったり。たとえば「商品開発部」の機能をライバルのA社とB社でシェアしたりとか。まあ、いまも個人レベルならそれに近いことをしてるケースもある。

先進的な経営者は、それよりももっと高い次元で、それこそ成層圏ぐらいの曇りのないところから見渡して種を蒔きはじめてる。晴れたら成層圏に種を蒔く。

固定概念、既成事実でガチガチに固まったところから離れると、実はこれまで見えてなかった新しい地平が広がってるのが見えて愕然とすることも多い。

で、そうなってきたときの「プロ」って何だろう? の話。

これまでの世界は基本的に「プロ」はその人が積み重ねてきた能力、経験、スキルはその人にだけ属するものというのが基本。プロとしてのスペックの高さがあるほど、そこからの「落差」が非対称性となって仕事やお金を生んだ。

早い話「すごいプロ」ほど高い評価と報酬が得られる。

もちろん、そういう分野もなくなるわけではないけど、もっと一般的なプロの世界は変わりつつある。

その人がどれだけフラットにいろんなところに自分の「プロ」としての能力、経験、スキルをシェアできるかで評価されるようになる。高いところからの落差があるより、フラットなほうが仕事が増えるのだ。

そのとき、これまで以上に必要になってくるのが「編集」能力なんじゃないか。

専門の世界で高いスペックからの落差を仕事にしているときには「そのまま」使えばよかったものが、いろんな専門外のところにもフラットに自分のプロの能力、経験、スキルを使っていくときには「そのまま」じゃなく、相手や状況に合せた編集が求められる。

ある専門分野のライターが専門誌に文章を書くなら、そのまま他の人が書けないものを書くという落差を使えばいい。

でも、たとえば大学生に「新しく学びたい分野の勉強を爆速でする方法」として書くなら、自分の「専門分野を学ぶときの学びの構造」を分解して抽出し、興味を持てるように話を組み立て直す編集ができたほうがいいみたいなもの。

風の時代というか共有時代の「プロ」はどんなプロでも、そういう自在な編集ができるほうが自分も周りも自由度が増して、それが回り回って実を結ぶ機会が増やせる。

すごく抽象的に言ってるけど、個別具体的にはもう結構そういう話ができると思うんだ。

この話、ちゃんとしていくと同時多層的になるから「話す」メディアでするほうがいいのかもしれないけど。