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好奇心は猫を殺すのか

物騒なタイトルだけど他意はない。そういうワードが入ってるだけで通報されたりbanされるのだろうか。ある意味、それも物騒だなと思うけど。

note酒場でそんな話(どんな話だ)をしていて、その場では答えが出ずにずっと漂ってる。

「好奇心は猫を殺す」

どうやら原典はイギリスの古いことわざらしい。Curiosity killed the cat.
まあそのまんまなんだけど、現在用いられている「ありすぎる好奇心は身を滅ぼす」という意味合いとはちょっとだけ違うところが気になる。

好奇心にあふれた猫は、たいていの冒険も平気でこなすけど、そんな猫でも好奇心が飛び出しすぎると命を落とすこともあるからね、という警句みたいなのが現代バージョン。

なのだけど原典を探ってみると、もう少し重い。なんていうか人間の救いのなさみたいな意味合いまで含まれてる気がする。

死より重いものなんてあるのかと思うけど、救いのない状態はそこから逃れられない重さがある。人間の業みたいな何か。

自らの欲望に忠実に生き、しなくてもいいことに絡めとられ、やがて猫を殺してしまう。

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シェークスピアと並んでイギリス・ルネサンス演劇を代表する劇作家ベン・ジョンソン(日本ではあまり知られてないみたいだけど)が戯曲の中で「Curiosity killed the cat」という言葉を残したのがどうやら初出らしい。

後にシェークスピアも彼の戯曲の中で人間の救いのなさを風刺した表現で、「Curiosity killed the cat」と、しなくてもいいことをして猫を殺した男を「勇気ある男!」と呼んでいる。風刺が効きすぎてる気もするけど。

いったいなんでnote酒場で「好奇心は猫を殺す」みたいな話になったのか。その前後の記憶がぶった斬られてるので謎なのだけど。

たぶん、これはそのときとは別かもしれないし、その流れの中かもしれないけど「好奇心で死ぬタイプ」という言葉も記憶に残ってる。

「死」も、あまりカジュアルに文字にするものでもないのだけど「好奇心は猫を殺す」の中に横たわる死と「好奇心で死ぬタイプ」の死は、どっちも交わりそうで交わらない。

だからなんだって話だけど、まあこんなふうにずっと咀嚼するようにぼんやり考えてるのだ。自分でも変だなと思うけど、しょうがない。