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行ったり来たりする力

「もう、我は駄目だと思ふ時もある。やってゆかうといふ時もある」

ふとしたきっかけで(まあ、だいたい人生そんな感じかもしれない)画家・中川一政さんの言葉と向き合った。

昭和を代表する洋画家として知られる中川一政画伯(もちろん本来の意味)だけど、書家、文筆家、デザイナー、装丁家としても優れた仕事をたくさん残されていて溜息が出る。すごすぎる。

文章もなんていうかとても手も足も出ない(あたり前)のだけど、そこにポンと入ってお互いに文章で会話できたのが向田邦子さんというエピソードにも「はぁ、、、」となる。

まあ僕が語れることなんて無いに等しいのだけど、中川一政さんの書に描かれていた言葉が「生きてる」と思った。

冒頭の言葉もそう。

もう、我は駄目だと思ふ時もある。やってゆかうといふ時もある

何度か読み返してみてほしい。嫌じゃなければ。

なんだろう。畑から引っこ抜いて土のついたままのような言葉だけど「生」というか「フォース」を感じる。それでいいんだというか、それなんだなというか。

自分も行ったり来たりのくり返しだし、それで進んでるのか後退してんのかもよくわからないけど、それをまるっと諦めでも達観でもなく、ちゃんと感じながら生きればいい。

むしろ行ったり来たりの中から力が生まれるのかもしれない。

そう言ってもらえてる気がする。