猫に言葉が流れる
実家の猫がしばらく元気をなくしてたときがあった。
健康状態的には問題なくて、ほんとにただ「元気がない」。3歳の猫なので、仔猫のときみたいに空を飛ぶことはないけど、それでも猫種的には野性味が強くて活発なタイプ。
なのにバッテリーがローな感じになってた。
心配っちゃ心配だったのだけど、まあ猫には猫の「何か」があるんだろうなとも思った。
なんていうか「思うところがある」というやつ。人間もそういう状態のときがある。病気とかではないし、何か深刻な問題を抱えてるでもないのだけど「思うところ」あって、なんとなく萎えてるように見える。
そういうのってどうしようもない。
もちろん、気をつけて見るのは見るけど、過剰に「どうしたの?」ってやっても逆に重くなる。それは相手が猫でも人間でも同じ。
ただただ、そっと見守る。そういうときに言葉は使わないのだけど、なぜか、変に言葉にするよりも「言葉」が流れてる気がする。
だから何だって話だけど。
いまはもうすっかり復活してトタントタン走り回ったかと思うと、不意に立ち止まる。まあ猫だ。
元気がなくて言葉が流れるのと、言葉は流れないけど元気があるほうのどっちがいいかといえば、それは言葉が流れなくても元気なほうがいい。
なんだけど、「思うところがある」ときに、ちゃんと話せたらなとも思う。