隠し金 認知症おとーさん日記 Feb.13 20201
土曜日の朝は、のんびり。わたしは来週に控えた撮影の試作が大詰めで朝からバタバタしていたから、のんびりタイムに電話ができてちょうどよかった。
「もう朝ごはん、食べ終わった?」
「すっかり食べ終わってるよ。」
「だよね〜 で、お薬飲んだ?」
「薬、薬、きょうは13日か?飲んでる。」
「おお〜、すばらしい。」
「いつものことじゃないか。」
いつものことじゃないけどね〜 ま、いっか。お薬飲んでたんだから、オッケーだもん。
「きょうはどうやって過ごすの?」
「きょうか?家にいるかな。」
「納豆はあるの?」
「ああ、ないかもな。あとで買いに行ってこようかな。」
「お金はお財布に入ってる?」
「ちょっと待ってよ…3000円入ってる。」
「それで大丈夫?」
「だいじょうぶだけど、どっかに隠し金があるはずじゃなかったかな。」
あら〜、覚えていたのか。おとーさんは大きなお金をしまい込んでしまう癖があって、そのしまい場所がわからなくなってしまう。8万円ほど行方不明になったことがあったから、それ以来置いておくお金はまとめずに小分けにしていろんなところに私たちがしまっておくことにしている。しまい場所は決まっているから、おとーさんが自分で補充したり、お財布の中のお金が少なくなって電話がきても誘導して補充できるという寸法なわけ。きょうはお買い物へ行ったかなぁ?
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