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連チャン電話 認知症おとーさん日記 Feb.24 2021

朝はいつも通り。ビン缶ペットボトルごみのことを伝えたけど、出してくれてるといいなぁ。

夕方、

「充電してたら、文恵に電話かかっちゃったんだ。」

と、おとーさんから電話がかかってきた。恐縮しているけど、声が聞けたから別にいいのに。

「おじいの声が聞けたから、いいよ〜」

「おじいじゃないよ、まだ若いんだから。」

おい、おい、若いときたか。笑 ごはん食べ終わったのか聞いたら、しっかり食べたよと言う。

「文恵が作ってくれた料理でごはん食べて、酒も…、あれ?飲んだかな?…そうだ、酒がなくて飲んでないんだ。」

「ありゃ、そうなの?」

「買いに行くにも、お金がないんだ。」

「あれ?妹Rちゃん、5万円置いてくれてるって言ってたけど。引き出し見てみて。」

「えっ、そうなのか。___ああ、入ってる。」

「そこから1万円抜いてお財布に入れて。」

「財布…ちょっと待ってよ。6千円入ってる。」

ん?じゃあ、お金足さなくてもいいじゃん。いつものことながら、お財布にお金が入っていないと思い込んじゃったんだなぁ。そのあと抜いた1万円を戻してもらうのにすったもんだ。帰省したときの軍資金の一部なので、謎の隠し場所に仕舞い込まれては困るから、何度も元の場所にまとめて戻すように確認しながら説得したから。突然思い出して、ラビリンスに仕舞い込みませんように。そんなこと思いつつ仕事してたら、再び電話が。

「あのな、ケアセンターの担当の人代わったよな?」

「うん、FさんからKさんになったよ。」

「そうだよね。次の面談の日のメモがあるんだけど、文恵知ってるか?」

「うん、Kさんと打ち合わせて決めたから。」

「そうか、それならいいんだ。おとーさん、どうもいろんなことが覚えていられなくなってな。悪いな。」

「悪いことなんてないよ。大丈夫、大丈夫。」

自分が忘れてしまうことがわかるだけに、辛いんだよね。悪いことなんてないのに。大丈夫、大丈夫と声がけすることでおとーさんが少しでも心が楽になってるといいなぁ。

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