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やるべきことが出来る人とできない人

やるべきことがあるのにやる気が出ない。
そんな経験は誰しもがあることでしょう。
夏休みの宿題を最終日に必死でやる羽目になるのは、大体がそんな「やるべきことがあるのにやる気が出ない」のが理由だと思います。
今の日本には娯楽が溢れてますので、本来やるべきことの優先度が下がってしまうのは自然の摂理に近いかもしれません。

しかし、実際にはきちんとやるべきことをやっている人だって大勢います。
では、やるべきことが出来る人と出来ない人の差はどこから生まれるのでしょうか?
今回はそれを私の経験を踏まえて書いてみようと思います。

最初に結論

結論から言えば「やるべきことが習慣化しているかどうか」が両者を分ける差になっていると私は思います。
習慣になっていないことをやろうとする場合、多くの人は抵抗を感じるはずです。
自炊をしたことがない人が自炊をしようとするのは理由がないと難しいですし、運動する習慣がない人が運動しようとするとかなりめんどくさいと感じるはずです。
それでもモチベーションがあれば数日は何とか実行できますが、それを継続するのは難しいでしょう。

しかし、実は逆も同じことが言えます。
それまで継続して行ってきたことを急に止めることにも人は抵抗を感じます。
例えば、歯磨きを毎日している人はどんなに仕事で疲れていても寝る前に歯を磨こうとするはずです。風呂に毎日入る人はやはり疲れていたとしても毎日入ろうとするでしょう。
つまり、やるべきことを習慣化することが出来ればあまり意識しなくてもやるべきことがちゃんと毎日出来るようになる、むしろやらないと気持ち悪さや不安を感じるようになるということです。

とはいえ、上記のことは多くの人が既に知っていることでしょう。にも関わらず大勢の人が悩むのは習慣化がそもそも出来ないからです。
つまり、肝心なのは「どうやって習慣にするのか」という点です。
次項からはそれを考えてみましょう。

「やる気が出ない時の解決策はとりあえずやれ」は正しいのか

よく言われることとして、「やる気が出ない時の最大の解決策はとりあえずやれ」というのがあります。
一度やり始めさえすれば、あとはやる気とか関係なくなし崩し的に作業が進むからですね。
実際にこれは正しいのですが、多くの人はこれが出来ません。
なぜなら、「とりあえずやれ」とだけ言われてそれが出来る人はそもそも自分の意志が非常に強い人だからです。
私のような意志が弱い一般人は、これをもっと具体的な行動に落とし込まないと「とりあえずやる」ことすら不可能です。

そして、この最初の一歩としては本当に小さなことからやり始めるというのもよく言われます。
勉強をしないといけないなら、最初は机に向かって椅子に座るだけでもいいということですね。
しかし、これでもまだ具体策としては足りません。
実際には「机に向かって椅子に座る」ことが出来ない人だっているわけです。
もちろんそれが出来る人であればそれを試せばいいのですが、椅子に座ることにすら苦痛を感じるならもっとハードルを下げる必要があります。個人差があるということです。
例えば、筆箱からシャーペンを取り出して手に持つとかではどうでしょうか。
大事なことは「自分が抵抗なく出来そうなことをまずはやってみる」ことです。これは人によってどこで抵抗を感じるかが変わるので、自分で探すしかありません。
「とりあえずやる」というのは正しいですが、それを自身の具体的な行動に落とし込まなければ大抵の人は出来ませんので、自分がどこまでなら出来そうかをまずは色々と試して考えるのが本当のスタート地点です。

私のダイエットの習慣化の成功談

私は約10年ほど前にダイエットをしたことがあり、その時は3ヶ月で15kgくらい痩せることに成功しました。まあ、そのあと色々あって現在はリバウンドしてますが……
そして私の最近の体調不良の原因が肥満であるとほぼ確定したので、当時を思い出しながらまたダイエットを始めています。
そんな当時の私のダイエットのやり方や考え方から、やるべきことをどうやって習慣化するかの具体例を見てみましょう。

① 目標の設定

まず最初にすることは至極当然ですが、目標を設定することです。
この目標というのは、最終的な目標だけではなくて途中での目標も立てる必要があります。
過去の私の目標は1年間で15kgの減量でした。そのため、1ヶ月ごとに1〜2kgずつ痩せていくのを途中での目標にしていました。
大事なことは期限を切ることです。
期限を切ることで進捗が目標とどうずれているかを分析することができ、何を修正すればいいかが分かるようになります。

② 行動指針の設定

目標を立てたら次はどう行動するかを考えます。
ここからがやるべきことの習慣化に繋がる話となります。
痩せるためにどうすればいいかは物凄く簡単で、摂取カロリーよりも消費カロリーを増やせばいいだけです。
つまり、食べる量を減らして運動を増やす、これだけです。単純明快ですね。
世の中に蔓延る理屈が理解不能なダイエット方法などは窓から投げ捨てます。楽に痩せる方法なんてありません。どうやったってエネルギー保存の法則は無視できないのです。
この時点で楽な方に流れてしまうとゴールが遠ざかります。

③ 具体的な行動の設定

ではこれを具体的な行動に落とし込みましょう。
食べる量を減らすと言ってもどれくらい減らせばいいかを考えないといけません。
成人男性が1日に必要な摂取カロリーは大体2000〜2400kcalくらいですので、これと同程度かこれよりも減らす必要があります。
過去の私の場合は1日で1600kcalまで摂取することにしていました。朝に400kcal、昼と夜に600kcalずつで合計1600kcalです。ご飯を茶碗一杯で200kcal強なのでかなり少ないことが分かると思います。
食堂で食べると簡単に超えてしまうので、毎日会社に弁当を作って持っていくくらいに徹底していました。
週末に大量に常備菜を作っておき弁当箱に毎朝詰めるという、食事の楽しみを完全に捨て去った食生活です。
過去の私がなぜこんな過酷なことが出来たのかというと、痩せてモテたかったからという一点に尽きます。料理スキル自体もダイエットのためにゼロから身につけたので覚悟の程が窺えます。若かったなぁ……
何らかの理由で非常に意志が強い時やモチベーションが高い時は大抵のことは出来るということですね。
ちなみにこれの良いところは、週末に常備菜を作るのは面倒なもののそれを使う時は毎朝弁当箱に入れるだけなので非常に簡単なことです。そのため習慣にしやすいんですね。

そしてモテたいという気持ちから生まれる鋼の意志は運動方面にも働きます。
とはいえ、習慣にするために運動の最初のハードルは物凄く下げます。
私は初日は腕立て伏せを1回だけやるというようにして運動を始めました。
それを徐々に1回ずつ増やしていくという方法で、最終的には腕立て伏せだけでなく腹筋、背筋、スクワットも含めてそれぞれ毎日20回を3セットずつやるようになりました。
この過程では回数を減らすことも何度もありましたが、毎日やることだけは徹底しました。
全く運動をしていないと普通の腕立て伏せや腹筋を1回やるのもきついので、膝を床につけて腕だけでやる腕立て伏せなどが本当の最初のスタートです。とにかく何かをやることが重要です。
あと、普通はバスを使う駅から職場までの通勤の道のりをダイエット中は片道30分くらい歩いて移動してましたね。
とにかく最初は運動を習慣にすることが重要なので、毎日何かをすることを意識してました。
その結果として、最終的には毎日の筋トレはもちろんのこと、会社が休みの日には15kmくらいジョギングするほど運動するようになっていました。やりすぎです。

イラストを描くことの習慣化についての失敗談

先ほどのダイエットの話は成功した例なので、今度は失敗した例としてイラストを挙げます。
私は3年ほど前、約2ヶ月ほどの間、毎日のようにイラストを描いていた時期がありました(別の名義での活動です)。
しかし、イラストを描くことは習慣として自身に根付きませんでした。
これが何故なのかを考えてみます。

習慣化しなかった最大の原因は最初期にハードルを上げ過ぎたことです。
この頃は最初からフルスロットルで飛ばしていたため「完成まで描き切る」ようにしていました。
イラストの技術上達のためにはこれは正しいことだと思うのですが、まだイラストを描くことが習慣にすらなっていないレベルだとこれはハードルが高すぎるのです。
とにかく何でもいいから続けることが大事で、毎日10分でも20分でもいいからペンを握るだけで良かったはずなのですが、「最後まで描かないといけない」という気持ちが重くのしかかるようになり次第にペンを握らなくなってしまいました。

結局どこで差がつくのか

では、やるべきことが出来る人と出来ない人の差がどこで生まれるかです。
ダイエットを始めた時の私はモテたいという一心から鋼の意志が生まれていました。つまり非常に高いモチベーションです。
しかし、この手のモチベーションというのは長く続きません。当時の私もそうでした。
重要なのはモチベーションが消えるまでの間に行動を習慣化出来るかです。
習慣化できればあとはモチベーションが無くなっても毎日続けることが出来ます。続けないと不安になるからです。
そのため、最初期のモチベーションが高い間に習慣化できるところまで持っていくことがとても重要で、そのためにはその時期に行動のハードルを上げすぎないことです。
ハードルを上げ過ぎてしまうとイラストの例のようにモチベーションが消えた時にやらなくなってしまいます。
これは勉強のようにモチベーションはないけどやらないといけないことも同じです。とにかくハードルを下げましょう。
モチベーションが低い場合は高い場合よりもハードルを遥か下に設定しておくことです。
簡単にできそうなことを長期間続けられる習慣にできるかが、やるべきことが出来るか出来ないかの差になります。

とはいえ、継続できるかどうかはその人が置かれた環境やそれまでの積み重ねに影響する部分も大きいです。
私がダイエット時に運動を継続できたのも、高校生まで運動部だったためどんな筋トレ方法があるかを理解していたからでもあります。その知識がなければ難しかったかもしれません。
そのため、自分一人ではどうしても上手くいかない時は他の人のアドバイスをもらうのも良いかもしれません。自分ではハードルを低く設定したつもりなのに他の人から見ると物凄く高いハードルだなんてこともありますからね。

最後に

結局のところ、習慣化するまではハードルを出来るだけ下げて継続できるかが「やるべきことが出来る人と出来ない人の差」だと思います。
そしてそのためには世の中に溢れている娯楽への誘惑を断ち切らないといけません。時間は有限なのです。
完全に断ち切る必要はない(というか出来ない)ですが、自身が今やるべきことが何なのかを考えて日々の時間を大事にしながら生きていくことが重要です。
そう言っている私自身もそれが出来ているかというと非常に怪しいですが、私としては書きたい小説のアイデアが溜まっているのでそれを少しずつでもいいからアウトプットしていきたいところです。
それではここまでご覧いただきありがとうございました。


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