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【🇨🇷#10】いい歳して不登校になった時の話

こんにちは。日本は寒波が押し寄せてとても寒そうですが、コスタリカは相変わらず毎日晴天。最近は朝晩、風が強くて家がガタガタ言っています。

今回は、コスタリカに来て約半年、精神的に少し大変だった時の話を残します。

オンライン授業とメンタルヘルス

1月上旬に対面での授業がスタートしたのも束の間、大学のキャンパス内でコロナ感染者が多くなり、今までは対面とオンラインのハイブリッドだった授業が、全面オンラインに移行しました。

毎朝、8:45にZoomにアクセスして、授業を受けて、午後は次の日のためにリーディングをしてノートにまとめて寝る、というサイクル。

朝、授業前にコーヒーを入れて、緑あふれる庭を眺めながら、リラックスして授業を受ける日々。というのが、いわゆるオンライン生活の利点。

わたしは年末年始休暇に動き回っていたので、むしろオンライン生活がありがたく、精神的にも心地よさを感じていた。

ただ、そんな生活が2週間、3週間と続くにつれて、また大学内外でも自分が直接的に関係のないところでたくさんのことが起きて、

段々と、外に出るのが億劫になってきたのを感じたのが2月上旬。

キャンパス内の感染者数も収まってきたので対面授業は再開したけれど、

色んな要素が重なって対人恐怖症みたいになり、町に出るのも、大学に行って友達と授業を受けたり世間話をすることも嫌になった。

授業はオンラインでも受けられるので、辛うじて授業は家から出ていたし、リーディングも今までで一番しっかり読み続けた。

でも授業以外で、人と関わることが怖くなってしまった。

オンライン授業を受けた日の夜、明日はきっと学校に行くぞと思っても、次の日の朝になると「やっぱり無理だ・・」と思ってしまう状況。

おまけに、多分運動不足とストレスで、逆流性食道炎のような症状が出て、毎日飲んでいたコーヒーも我慢。
たまにスッキリしたくて飲んでいたお酒も我慢。
寝る3時間前までに飲食を終えねばという生活に。

こんな状況と向き合いながら、世の中でオンライン授業を受け続けている生徒・学生は、こんなメンタル状況になっても助けを求めなければ誰も気づいてくれず、更に大変な状況になってしまうんだろうなと

実体験から、オンライン授業の影を考えたりする、そんな精神状態だった。

モヤモヤ。不安。焦り。

こんな鬱々とした毎日の中で、このモヤモヤの原因を知りたくて、ひとりでとりあえず思っていることをノートに書きまくり、リフレクション(振り返り)をした。

この国に来て半年、アテネオ・デ・マニラ大学での授業開始から約1年が経つ。

仕事も辞めて勉強ばかりして、現場から離れた毎日。
家から出ず人とも話さず、完全に陰のモードに入っている自分。。。

振り返って気づいたことは、わたしはこの留学に、とても驚いたり、ワクワクしたり、歓びで涙するような瞬間があると期待しすぎていたのかもしれないということだった。

そういう経験にまだ出会えていなくて、「本当にこれで良かったんだっけ?」と思うようになっていた。

大学院の授業は確かに学びはあるけれど、なぜ、これらの感情を感じられないのか。

それは、大学院に入る前まで働いていた職場で、たくさんの感情と共に色んな経験をしてこれていたからだと気づいた。

まっすぐに仕事に情熱を注ぐ大人たちに出会ったり
学生たちの変化に驚いたり、感化されたり
その歓びで心満たされたり。

そんな経験がわたしの社会人経験の大部分を占めていて、

言ってみればこれが私の人生を深めるような、驚きと歓びあふれる留学生活第1弾のようなものだったのかもしれない、と思うようになった。(実際、色んな国にも渡航させてもらったなぁ、としみじみ。)

この第1弾の留学を経て今があるので

今回の1年10ヶ月のフィリピン・コスタリカ留学は、もしかしたら留学第2弾ということになるかもしれない。

留学の種類も違うし、第1弾とはまた違った感情が湧き上がってくることも当たり前だろう、と思うようになった。

そう考えたら、色んな感情に意味づけができて、今思っているモヤモヤの理由も全て腹落ちし、

少しずつ精神的にも回復していった。


本物のエンパワメント (Empowerment) 

こんな感じで、もう心も体もヨボヨボで、早く日本に帰りたいとすら思っていた2月中旬。

突然、世界青年の船のコスタリカ人の同期から連絡がきて、わたしを外に連れ出してくれた。

彼とは、船に乗っている時に「青年のエンパワメント (Youth Empowerment) 」というグループで一緒に学んだ仲で、平和大学の卒業生でもあるので、大学院の文脈も理解してくれ、こちらに来てからもとてもサポートしてくれている。

レストランに入って早々、「最近どう?」と聞いてくれた。

その瞬間に、自分の中で一生懸命ピンッと伸ばしていた糸のようなものが切れて

わたしは涙をボロボロと流し、上に書いたようなことをひとつひとつシェアしていった。

団体で盛り上がるテーブルを横目に、わたしは思う存分泣き

彼はひたすら言葉をかけてくれた。

こんなに人を勇気づけられる人がいるのか、と思うくらいに。


気づけば、話の内容は過去の懐かしい思い出話や、お互いのキャリアの話、将来の話に移っていて

こんなに助けてくれる友達がいることの歓びを感じて、また涙が流れていた。

彼のおかげで、この留学でまだ経験できていなかった、

歓びの涙を流すことができた。

誰かが弱った時に、わたしもこんな風にありたいと心から思った、

最高にエンパワーされた時間だった。

ーー

体調とメンタルが回復してきた金曜日、

約1ヶ月ぶりにキャンパスに登校した。

今まで緑色だったキャンパス内の芝生も、乾季でいつの間にか茶色に染まっていた。

この季節の移り変わりを逃さないように

卒業までの残り4ヶ月間のために、また歩き出したいと思った。


P.S.
今回わたしを元気付けてくれた友人の他にも、日本で頑張っているパートナーくんや、子育てを頑張る親友、なんでも話せて相談できる大学院の同期には、その都度元気をもらいました。感謝。

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