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「ウィンザーの陽気な女房たち」 ウィリアム・シェイクスピア

小田島雄志 訳  白水社Uブックス シェイクスピア全集  白水社


河合隼雄・松岡和子の「快読シェイクスピア」読んだ記念に何か読んでみようと思って、一番読みやすそうなこれにしてみたのだけど、エリザベス女王が「面白い喜劇頼むよ、ウィリアム」ということがあったかどうかはともかく、言葉遊びや性格偏向していて一気に最後まで。あと、シェイクスピア自身が故郷で鹿泥棒呼ばわりされ、その相手を家紋を絡めて復讐した、という説も実際かどうかはともかく、面白い。 

でも、ウィキペディアによると、この劇、シェイクスピアの中では完成度は高くないという。楽しくて、上演回数も結構多いのにね。また、ハル王子と秩序のひっくり返しを何度もやっていたフォールスタッフが、この劇の時代ともなると、(窮屈な)ブルジョア社会から放逐されてしまう、という変化もあるようだ。けど、なんかそこまでの読み込みまでいるのかなあ、この作品。とも思う。
フォード家とペイジ家の性格の相違とかもちょっと考えてはみたいけど(河合氏が言うように外交的ー内向的かどうか)、ウェールズ訛りの神父とフランス訛りの医者の掛け合いとか、スレンダーという男のなんだか抜けてる話しっぷりに、それからもちろんフォールスタッフの隈雑な言葉遊びに笑えばいいんじゃないかな。 
これでシェイクスピアは「リア王」「十二夜」に続いて随分間の空いた3作目? あれ「ハムレット」は読んだんだっけ?(読んだはずですけど…)

補足、「ウィンザーの陽気な女房たち」といえばニコライの歌劇。序曲だけしか今は演奏されないのかな。折角だから今日聴いてみた。あれ、今まで聴いたことなかったみたい。ヴェルディも「フォールスタッフ」でこの劇使っているのだが、他の彼が出て来る劇と合わせて歌劇にしているみたい。さらには、ヴォーン=ウィリアムズもこれで歌劇作っているの? この中ではヴォーン=ウィリアムズが一番原作に忠実らしい。
(2018 05/20)

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