「告白的読書論」 石井洋二郎
中公文庫 中央公論新社
石井洋二郎の東大挨拶
自分はブルデューの紹介等で名前を知ってたが、ロートレアモンなど詩の業績も高い石井氏の読書論というか(含蓄ある言葉がさすがに挟まれているけど)少年・青年期読書体験談。
東大で「すぐコピペしないで自分で調べなさい。東大総長?の名演説とされる「太った豚より飢えたソクラテスになれ」というのもその通りの演説ではなかったのだから」と挨拶したそうな。
あと、「身体小説論 漱石・谷崎・太宰」というのも著作にはあるらしく、自分的にはどっちかというとフランス始め世界文学の傾向があるこの著者ならではの、日本作家論が読めるかと思って、自分としてはやはり気になるところ。
で、昨日はそんな石井氏の東大最終講義があったらしい。
(2017 03/12)
デカルトとパスカル
「告白的読書論」を昨夜読み終え。各章ごとに大まかな文学ジャンル分けが設定されている。石井氏は1955年の生まれだから、戦争直後生まれと自分の世代の中間で近い環境だなと思うこともあり。
いろいろあったけど一つだけ。デカルトとパスカルは一度だけ会ったことがあるという。その後パスカルはかなり痛烈にデカルトの非難を展開。パスカルに言わせれば「デカルトは始まりだけ神がいれば後は自動なので神は必要ないと言った」と。この見解は前に読んだ上野氏の自動機械説に繋がるが、確率を研究したパスカルもあまり変わらないのでは、とも思った。
(2017 03/13)