中公新書 中央公論新社
まえがき
序章 経済学の展開
第1章 市場メカニズムの理論
第2章 ゲーム理論のインパクト
第3章 マクロ経済学の展開
第4章 行動経済学のアプローチ
第5章 実験アプローチが教えてくれること
第6章 制度の経済学
第7章 経済史と経済理論との対話から
終章 経済学の現在とこれから
あとがき
参考文献
第3章まで
ケイジンアンかマネタリストか、という対立はもう過去のもの。両者が協力、刺激しあって新たなモデルを追っているという。ゲーム理論はまだわかる(内容が理解できているという意味ではない)が、意思決定論とか制度論とかはまだピンときていない。
第4章
合理性という概念自体が経済学(的思考)から出てはいないか。そうなると議論は循環しそうだけど…
第5章
そうなったら実に面白そう…今はどちらもシュミレーション使った計算理論的実験が多いだろうし。
(2019 12/19)
第6章
心理学や政治学・社会学など隣接学問領域との接点でもある。自分などはこれ(特に後者)が経済学の領域だという認識すらなかった。
第7章
「ダグラス・ノース 制度原論」より。この人、グローバル経済史でも西洋の勃興を「所有権」という制度に着目していた。
このアブナー・グライフのマグリブ商人とジェノヴァ商人の歴史研究とゲーム理論を総合した議論は面白く、ここで引用したような興味深いところもあるけど、キリスト教徒=個人主義的という図式はどうなのかな。まあ、それはここの説明だけではどう取り扱われているかわからないけど。
最終章
社会科学の適用範囲。ジョン・サールの「存在論的に客観的/主観的」、「認識論的に客観的/主観的」の議論も興味深い。
そのことを踏まえた暗いユヴァル・ノア・ハラリの見通し。
自由意志の問題。今は決定論寄りに振れている時期か。最後はヘーゲルやディルタイの自己遂行性を含めた社会科学の可能性を示唆している。
(2019 12/22)
(自分の文章、ほとんど今、後付けしたので、薄っぺらい…とにかく、今の経済学の広がりを実感できる一冊…)