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「未成年(上)(下)」 ドストエフスキー

工藤精一郎 訳  新潮文庫  新潮社

帰りに本屋寄ったら、ドストエフスキーの「未成年」が文庫で復刊されていた。最近海外文学に対して少しやる気を出してきている?新潮社から。
あの4大長編より少しマイナー、とされてきた「未成年」。最近は見直すべきだという指摘等もあり、少しずつ注目されてきているのだろう。果たして4大長編をも越える傑作なのかどうか…買って確かめてみよう!
(2008 08/14)

(と書いたけれど、上巻についての記述が一切無し(笑)、というわけで、以下は下巻の内容)

賭博って…


そんなに面白いものなのだろうか?
「未成年」も今日から下巻。やれ決闘するだの、すぐ結婚申し込むだの、19世紀後半(のロシア)は血気盛んな時代でついていけないところもある(それとも、現代が力を吸い取られた抜け殻時代なのか?)。
そんな中、現代でもわかる人はわかるかもしれない(自分はわからない)のが、賭博に対して、だろうか?まあ、ドストエフスキーのことだから…とにかく橇で雪の崖を下るやけっぱち感が好きな作家だから…作品にも「賭博者」があるくらいだから…「未成年」でも主人公アルカージーの行動は常に「どうにでもなれ」って感じだから…
疲れるんだけど、一気に読んでしまう、これが…
と、なると、読んだけどあんまり細かいところ覚えてなかったりもする。アルカージーの父ヴェルシーロフが息子アンド読者に言う。「細かいところに重大なことが隠されているものだよ」
ああ、ドストエフスキーって作家は…
(2008 09/08)

「未成年」は賭博場から叩き出された主人公アルカージーが寒い中外で凍えている時見た幻覚場面が鮮やか。こうしてまた、読者にとって新たな人物が登場することになる。
(2008 09/09)

「未成年」は快調スピードで1日120ページ。まあ、活字も大きいのだけど。(活字、できるだけ小さくないと海外文学読んでいる気がしない←冗談だが心のどこかでそんな声がする(笑))
(2008 09/10)

分身と続編のほのめかし


「未成年」を読み終えた。
昨夜(ってか今朝1時少し前)。
最後の方のキーワードは「分身」。ヴェルシーロフによれば「いやいやながら望むこと」とか。目の前にそんな「陽気」な分身が肉体を持って現れたら、もうおしまい(笑)(初期の作品に「分身」というのもあるはず)
エピローグでは、作者自身による注釈みたいなのがあった。それとエピローグの中で「今は新しい生活を送っており、それはここに書けない」ってアルカージーは言っているが、それは続編のほのめかし?ってか、「カラマーゾフ」でもそんなほのめかしあったけど、たぶん、書く気など最初っからないだろう、ドストエフスキー?って感じ。常套文句なのだろうか?
(2008 09/12)

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