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「貧困のない世界を創る ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義」 ムハマド・ユヌス

猪熊弘子 訳  早川書房

 私は、さまざまなことが「市場の失敗」のために支障をきたしたのではないと考えている。問題はそれよりはるかに深刻だ。主流の自由市場主義理論は、「概念化の失敗」に苦しんでいるのだ。つまり、人間の本質をとらえることの失敗である。
(p51)


経済学の根本がそもそも間違っていた、というのかな。 フランスのダノン社(ヨーグルトの)との提携ビジネスの握手から始まり、2006年のノーベル平和賞受賞講演で閉めるという「熱い」本。 
(2010 04/23) 

今日はこの間から断続的に読んでいるバングラディシュのソーシャルビジネス論読んでいる。社会的目標を前提に、経営は自立・株主配当はなし…というビジネスモデルで、バングラディシュのグラミン銀行とダノン社が共同で行っているという。応援にかけつけたジダンの写真もあった。 
(2010 06/01) 

 人々はただお金だけによって動機づけられるものだという最終判断は誰が下したものなのだろうか。
(p292)


貧困だからカネのことしか考えない…って誰が証明したのだろうか。そう考えていくと世界にはまだまだ開発されていない人的(ほか)資源はある。またべつの人的資源は酷使しているクセに(笑)。
ということで、今日この本を読み終えた。 ユヌス氏は先進国の若者の無気力感にも、自国の貧困問題と同じように気にかけているみたいで、上の文やp359の文などは今の日本の若者などの問題にも使えそうである。というか自分にも。 
(2010 06/04) 

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