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「ウェブ×ソーシャル×アメリカ <全球時代>の構想力」 池田純一

講談社現代新書  講談社

グーグルとかアップルとかツィッターとかそういうものと、アメリカの思想史・開拓史と絡めた本、らしい。
(2011 04/18)

生態系とゲーム理論


昨日買ったアメリカとウェブの新書読んでいる。ずっと続けて読んでると何だかわからなくなるが(笑)…
ちょっとメモしておいた方がいいのが標題のこと。
生態系はいま流行り?のイノベーションという考え方など1990年代の「電子の市場」的な場において陰の思想だった模様。まあ、ネットが代表かな。

ゲーム理論の方は、その「電子の市場」、グーグルのネット内で回る経済(検索など)での考え方に。今までの経済学のように全ての情報を知って合理的な選択をする「経済人」ではなく、そもそも人間は限られた情報しか持ち得ないという前提から出発している。
今はアメリカのアソシエーション(トクヴィルらが注目した)の種類の紹介に移っているが、面白そうですがよくわからない(笑)…
(2011 04/19)

昨日読んでいたウェブアメリカの本から少しだけ。今最貧困国(層)への情報端末関係の事業が進んでいる、という。百円PCやグラミンフォンなど。ユヌス総裁につながるとは思わなかったけど、あれも身軽なウェブだからこそできたこと。
(2011 04/20)

グーグルとフェイスブック


この本も最終章…だけど案外ここが長い。
グーグルとフェイスブックというのは思想的にみると、システムとして見るか(ネットワーク科学・システムのシステム化(ルーマンでは再帰というらしい))、疑似社会(一回性の蓄積)との対比。社会学で言うとルーマンとハーバーマスまたはレヴィ=ストロースの対比。なんだそうで(笑)。

フェイスブックとかハーバーマスとかはまだ自分の論点としてあるけど(理解してるかどうかは別(笑))、ルーマンは問題自体がよくわからなかった。でもルーマン=グーグルと捉えるとわかってくるかも。人間の痕跡をネットワーク化して分析するなんて楽しそう(自分にできるかどうかは別(笑))。

差異を生み出す差異


いきなりクイズ。上の標題は何の定義?
答は「情報」。ベイトソンという人の定義らしい。ということはエントロピー増大で熱死平衡状態になれば情報もまた現れない…ことになるのかな?でも、差異は際限なく産み出されていきそう。

というわけで、「ウェブ×ソーシャル×アメリカ」を読み終わった。読んでいて、「この著者はブログなどのメディアに書き慣れていて、本もそんなふうになっていて、1冊の著書としては読みにくいなあ」とぼんやり考えていたが、後書きによるとこれは意図的(ノンリニア)らしい。成功しているかはおいといて…でも、そういうことだったら、せめて索引は欲しかったなあ。参考文献はあるけど…

補足メモ

あとはメモ。
その1、フェイスブックのザッカーバーグ氏はアエネーイスのイメージから出発しているという。そこからウェブによる国家のイメージにつながる…という話だったと思うけど、しかし、古代ローマとは…
その2、グーグルとかそういう企業は双頭制の経営トップにすることが多い。これは、企業価値算出がだいたい5年サイクルで回るのでそういう実際の経営を見る人と、それ以上の長期のビジョンを建てていく人がいる為。この本で多く取り上げているのは当然後者。
その3、これはルーマンつながりでオートポイエーシスについて調べてみた。自己産出と訳されるそれはチリで1970年代に考え出された元々は生物学(細胞とか)の考え方。でも、生物学では分子生物学などに押されて?…一方、社会学とかネットワーク理論とかそういう方向に応用されている。まさに情報が情報を産むイメージ。それと対になるのがアロポイエーシス。自分と違うモノ作ること。原材料から製品へという普通の工場など。詳しくは随分前に読んだ「知恵の樹」(ちくま学芸文庫)を。
ポイエーシスとは制作のこと。バレーラはオートポイエーシスという言葉は生物学に限定すべきという考え方。
でも、1970年代のチリというのもいろいろある。一方では新自由主義の政策の元祖らしいし…
以上、捕捉。
(2011 04/21)

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