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「命題コレクション社会学」

作田啓一・井上俊 編  ちくま学芸文庫  筑摩書房

読みかけの棚から
読みかけポイント:第2、18、21、22、42章読了

ローレンツの攻撃性論

「命題コレクション・社会学」を買った。ちくま学芸文庫版。このシリーズの哲学版は前に購入済…
最初はローレンツの攻撃性の項目を読んでみる。概略をまとめたこの項をまた更に自分なりにまとめてみると、要するに人間を含めた動物は本能として同種個体に対する攻撃性を持っていて、そのこと自体は種内部の秩序立てに役だっている。人間以外においては何らかの歯止めがかかっていて殺し合いにまではならないけれど、人間では道具の発明と抽象的思考(何らかのイデオロギーの為に殺すという意味と、相手から離れていても殺すことができるという意味)で、殺し合いになってしまう。というまとめ。
惹かれる考えではあるけれど、市場受け?したのに対し研究者からは非難を浴びた、という。ある研究者は、この考えの種保存的すぎるところに異を唱えていたが、他の多くの研究者は、攻撃性が本能にあるというところが気に入らなかったという…まあ、確かに、本能って何?って言われても漠然としすぎてわからない。霧状の中を、無理やりここからここが本能です、と言っているみたいで…
(2012 04/22)

ジンメルの社会物理学?


ジンメルの2の章(18、21)・・・ジンメルはやっぱり「社会分化論」あたり借りて読んだほうがいいかな? 社会学をなんだか物理現象みたいにして捉えてるんだね、あの人は。彼の人格概念定義は、人格心理学のオルポートの概念の対極にあたる実にそっけのないもの。

 人格とは、もともとはたんに無数の社会的な糸の交錯する点にすぎない
(p175)


たくさんの集団に属した方がいろいろな交錯する切断面に新たな要素が入ってきて個性が産まれる・・・ということ。テンニエースとかと異なり、世界的な個性的な個人の共同体に賭けていた、のかな。ほんとに。

順番逆になったけど、18章の方は対立を集団形成の必要不可欠な一要素と見ている点で、これも常識とは違う考え。そしてこれもなんか社会物理学とでも名付けた方がいいような(形式社会学というのはもともとは蔑称?)。

22章はミヘルス、42章は今読んでるウエーバーのプロ倫。
(2012 05/03)

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