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「バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ」 鶴見良行

岩波新書  岩波書店

鶴見氏の「バナナと日本人」から第4章までの個人的なまとめ。
日本のバナナ輸入先は台湾→中南米(エクアドルなど)→フィリピンと変わる。そのフィリピンでは米系3社と日本系1社がほぼ独占状態。このバナナ農園の土地収奪や契約などは、多くは戦前の日本人経営のアバカ麻農園の形式を継承している(農園の場所自体はちょうどダバオを中心とした反対側らしいが)。その理由としては、バナナも麻も常に手間がかかることなど。外国資本だけでなく、フィリピン地主も農園形成に手を貸したこと。結果として土地を追われたのは先住民であったこと。1980年代の本なので現状は多少異なるのかも?
(2012 10/23)

「バナナと日本人」読み終えた。

 バナナ農家は、資本主義的な選択の自由を奪われながら、他国の自由だけが村へ押しよせてくる。他国の自由がかれらを不自由にし、かれらの不自由が私たちの自由を可能にしている。
(p162)


40年近く前の話だから今は…なんだろうか?今の方が実感できる部分が日本でも多くなったのではないだろうか。そんな中で必要なのは、鶴見氏が言う通り食べる時にそれを作っている人、加工流通させている人のことを想像しつついただくことではないだろうか?
(2012 10/26)

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