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「大尉の娘」 アレクサンドル・プーシキン

中村白葉 訳  新潮文庫  新潮社

明大前(松原)の大学書房で購入。「スペードの女王」とともに。
光文社古典新訳文庫版(坂庭淳史訳)もある。

ロシア拡張とアメリカ西部

プガチョフの乱に題材をとった「大尉の娘」。
昨日の帰りの読書で大尉の娘が、今日の行きの読書でプガチョフが登場し、主要な要素が揃ったのかな?プーシキンの作品には主要登場人物が割と遅めに出てくる傾向があるので、油断?はできないが…
この時代のロシアと中央アジアの境目辺りって、雰囲気アメリカ西部に似ているのかもしれない。
ベラルーシにもタタール人いたらしいし(意味不明(笑))
(2009 01/30)

「大尉の娘」とスコット「ケニルワースの城」


昨日でプーシキンの「大尉の娘」を読み終えた。最近は帰りの電車の中では半分くらい寝てしまうのだが、今回はそうならなかったくらい…よくできたお話?だった。
訳者中村白葉氏はスコットの影響が強いと解説に書いている。確かに「よくできたお話」という点はスコット的。スコットは「ケニルワースの城」しか読んでないので詳しくはわからないのだが、例えば、一旦冒頭で出てきた端役的な人物が後に重要な人物になるとか、構造や身分階層で3つに分かれ、「大尉の娘」で言えばエカテリーナ女帝とプガチョフの上部、主人公や敵役シワーブリンはたまた女主人公などの中部、そして民衆や召使などの下部。この構造は「ケニルワースの城」でも見られたもの。
と、こうした社会構造が崩れていくのと同時に「よくできたお話」も崩れていくのだろうと思うが、それがいつのことか、また現実の歴史と進行具合はどちらが先か、などなど考えどころはまだまだたくさんある…
(2009 02/02)

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