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「種の起源(上)」 チャールズ・ダーウィン

渡辺政隆 訳  光文社古典新訳文庫  光文社

要約?


昨夜からいよいよ(なのか?)「種の起源」を読み始めた。光文社古典新訳文庫。元々ダーウィンは後2、3年研究を続けてそれから出版したかったみたい。だけど、例の競合してたウォーレスの研究もあって、それに合わせるように「要約」として出したのだそう。要約といっても文庫2冊分ありますけど。
今のところは飼育・栽培化された生物の話。飼育・栽培化した方が、その種内部のバラツキが大きいそう。なんか逆のイメージあったけど。ダーウィンの推測によると、これは囲いに囲まれてたりする状況が影響してある可能性あり、とのこと。では、管理社会になればなるほど変な人も増えるのかな…以上、拡大解釈(笑)。
(2013 07/03)

種と変種


一昨日と昨日、「種の起源」は少しずつ読み進めていて、今朝で第2章のところまで進みた。
この第2章では要するに種とは何か、種と変異の関係について述べられているのだけど、種とか変種とかの区分けは全く恣意的で便宜的なものだという。この点で従来からの創造説(ある種はそれぞれ祖型があってそこから起こった)を否定している。また大きな属の一番広がりも個体数も大きな種が、もっとも変異の存在する可能性が高いということ。人間という種で考えるとどうだろうか。皆、別の種ではないか、と思うほど個性強い…
あと、変異は物理的環境(気候とか生息地とか)より、他の生物との関係からの方が起きやすいそう。これに関してはもっと先で詳しく述べられるそう。
(2013 07/05)

生存競争


「種の起源」は第3章生存競争。全ての種は広い意味においての生存競争にさらされている。その為、子孫を残すために繁殖を繰り返していく。という、まあ今では当たり前にもなった議論ですが、ダーウィンは自分でも畑に種まいてそれを証明している。ダーウィンという人の執拗的ともいえる科学者精神もうかがえる。
(2013 07/08)

思い込みが激しい人類


「種の起源」今朝はこんな言葉から。

 ところがわれわれの知識は浅いのに、思い込みだけははなはだしい。
(p140)


ナチュラリスト、ダーウィンにとってはいろんな思い込みで物事を判断してしまう世間の風潮が気に入らないのだろうけど、ダーウィンの議論に勝手に?乗り掛かって言ってみると、この思い込みたがる性質も変異でそれが他個体より有利に働いた為、なのかも。勝手な想像だが、進化心理学のテーマにもなるかも、あるかも。
(補足:ヒューリスティックの一種?)
第4章へ。章ごとに物事が一つずつ上がっていくからわかりやすい。最も原文は結構長文が多く、この訳では適宜句読点入れたりしているという。いい企画だね、古典新訳文庫って。
(2013 07/10)

「種の起源」の方は生物多様性が進むように進化も進むという話…のとっかかり。なかなか読み進まなくて…
でも両者は密接な関係の上に成り立っている、ということはわかる。
(2013 07/16)

相関作用と自然淘汰


「種の起源」に、度々出てくる概念に相関作用というのがある。これはどこかに変異が起こった場合、それに連れて別の部位でも変化が起こるというもの。当時の観察から導き出された概念で、今現在でも認められているのかは自分にはよくわからない。そこに訳者の但し書きみたいなのがないから(他のところにはある)、一般読者が気にしなくてもよいレベルかと。にしても、理由がわからずいまいち釈然としない概念だったのだが、今日読んだところで少し謎が解けた。胚の時にで同じ場合によく起こるらしい。そいえば、胚の時って変異が起きやすいんでしたっけ。
で、この相関作用が自然淘汰(この文庫の訳者は「チョイス」を「淘汰」と訳している)や用不用の原則(使うものはよく成長し、その逆は縮む)と絡んでいろんな生物の進化は進む、という。
(2013 07/18)

先祖帰り?


前に書いた相関作用とともに自分的に意外な事象である先祖帰り。これは変異していく上で、特に近縁種との交雑において、それらの共通祖先の形態が突如として現れる、というもの。先祖帰りと通常?の変異との区別も実際には難しいとは思うが、これも訳者が注を入れてないところを見ると、大筋では認められているものなのかな。それとも解説にそこら辺含めてなんか書いてあるのかな。
(2013 07/23)

全体構成と多様性浪費と本能


まずは第6章のこんな言葉から。

 自然は多様性を浪費しているが革新は渋る
(p327)


これはミルヌ・エドワールという人の言葉を借りたものだという。自然淘汰の移行する実態を表現したもの。全ては小さな変異と淘汰の積み重なり、というわけだが、この辺あとで(20世紀)論争になったりもしているという。
さて、この第6章までが、それまでのダーウィン進化論の骨格を成す理論の叙述。それ以降のいわば各論との折り返しのダーウィン自身が自分の理論に反論してみるという構成。この各論には今の様々な進化論的研究の元ネタがつまっているわけだ。
で、上巻最後の第7章は本能について。様々な生物の本能は進化の賜物なのだろうか、という議論。これは例えば動物行動学とか心理学とかその辺…
(2013 07/26)

変異の蓄積としての本能


「種の起源」。やっと昨夜上巻読み終え。本能も細かな変異の積み重ねの結果だというダーウィンの理論は、同時代のファーブルと対立するものだったらしい。
(2013 07/29)

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