仮説検証のみのデータ分析はなぜ失敗するのか?
データ分析するときに迷路に迷い込んでいて、言語化して、プロセスを整理するのに参考になったツイートメモ
仮説検証のみのデータ分析はなぜ失敗するのか?
データ分析初心者のよくある失敗に仮説検証型でデータ分析したものの仮説が全然当たらないというのがあります。これは解像度を上げる現状把握型の分析を行ってないことが原因のケースが多いです。
実践的データ分析の流れ
実践的なデータ分析では、以下のような循環的なプロセスを踏むことが多い
0:前提のインプット
1:現状分析
2:仮説立案
3:仮説検証
4:現状認識のアップデート
5:新たな仮説や分析の方向性の決定
この流れを繰り返すことで、分析対象への理解を深めながら、より的確な洞察を得ることができます。
0:前提のインプット
※自身が詳しくないジャンルに対して、分析をするときに特に大事。筋の良い仮説なんかでない。前提知識をインプットする必要がある。
まずは知識不足を補うため=解像度を高めるには、生成AIさんを使うのが手っ取りばやそう。
※プロンプト例
[Topic]に関する専門家必須のキーワードとその解説を7つ列挙し、さらに20の追加キーワードと解説を提供してください。
[Topic]に関するマクロ環境をフレームワークを使って、教えてください。
[Topic] {{自由に記載してください}}
1:現状分析
状況分析は、データ分析の出発点となる重要なステップです。ここでは、分析対象を現状を把握することを目指します。
具体的なステップ:
a. 基礎集計と分析を行う
例:コンビニの売上低下を分析する場合、過去から現在に至るまでの売上推移をグラフ化する
b. データから読み取れる事実を抽出する
例:「3月1日以降に売上が急落している」という事実を特定する
c. 重要な事実の部分を詳細にみる
例:3月1日前後における様々な指標の変化をチェックする
2:仮説立案
状況分析で得られた知見をもとに、観察された現象の原因や背景について仮説を立てます。また必要に応じてこのタイミングで関係者へのヒアリング等をしてさらに情報を収集します。
仮説立案のポイント:
・ データから読み取れる事実に基づいて仮説を構築する
・複数の可能性を考慮し、複数の仮説を立てる
・検証可能な形で仮説を具体化する
例:「売上急落の原因は、近隣に新しいコンビニができたためではないか」
3:仮説検証
立てた仮説を検証するために、追加のデータ分析や調査を行います。
検証方法の例:
・来店客数の分析
・新規オープンした競合店の商圏分析
・顧客アンケートの実施
4:現状認識のアップデート
仮説検証の結果を踏まえて、分析対象に関する理解(現状認識)をアップデートします。
・検証結果から得られた新たな事実を整理する
・初期の状況分析で得られた知見と統合する
・全体像の中で新たな発見の位置づけを明確にする
次のサイクルへ
アップデートされた現状認識をもとに、次の分析サイクルに入ります。
・追加の状況分析を行う
・新たな仮説を立てる
・別の角度からの検証を計画する
なぜ現状分析と仮説検証を組み合わせるのか?
仮説の質の向上:
仮説の精度は分析対象の理解度(解像度)に大きく依存します。状況分析を通じて対象への理解を深めることで、より的確な仮説を立てることができます。リスク低減:
対象への理解が浅い段階で仮説思考のみに頼ると、的外れな仮説ばかりを大量に生み出してしまうリスクがあります。状況分析を組み合わせることで、このリスクを軽減できます。効率的な洞察の獲得:
状況分析で得られた全体像と、仮説検証で得られた詳細な知見を組み合わせることで、より深い洞察を効率的に得ることができます。柔軟な分析アプローチ:
分析対象や問題の性質に応じて、状況分析と仮説検証のバランスを調整できます。既に対象への深い理解がある場合は、仮説思考から始めることも可能です。
まとめ
実践的なデータ分析では、状況分析と仮説検証を適切にバランスを取りながら組み合わせることが重要です。このアプローチにより、分析対象への理解を段階的に深めながら、より確かな洞察を得ることができます。ただし、分析対象や目的に応じて、このバランスは柔軟に調整すべきです。既に十分な知識や経験がある場合は、仮説思考から始めることも有効な戦略となり得ます。
データ分析者には、状況に応じて最適なアプローチを選択し、効果的に分析を進める能力が求められます。この能力を磨くことで、より価値のある洞察を生み出し、ビジネスの意思決定に貢献することができるようになります。
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