見出し画像

ブロック守備とポジショナルな攻撃のプレー原則を考える

20/21 ラ・リーガ 第15節
ビジャレアル vs
アスレティック ビルバオ

~ビルバオのブロック守備、ビジャレアルのポジショナルな攻撃のプレー原則~

 今回は、先日行われたラ・リーガ第15節のビジャレアルvsアスレティック・ビルバオにて見られた、ビルバオのゾーンディフェンスを軸としたブロック守備と、ビジャレアルの相手最終ラインの背後を取る攻撃について分析し、最後には両チームのプレー原則について考察していきます。


スタメン(home : ビジャレアル)

画像1

(away : アスレティック・ビルバオ)

画像2

結果 : ビジャレアル 1 - 1 アスレティック・ビルバオ
( 前半 0 - 1、後半 1 - 0 )
※24分 : 2ガスパールout 20ルベン・ペーニャin


ビルバオの守備
(ブロック守備)

① 陣形と基準点
 ビルバオはブロック守備時、下図のようにDFとMFで「4-4」のブロックを形成する(FWが加わり、4-4-1または4-4-2となることも)。
 また、ブロック守備時の基準点はボールと味方で、つまり、味方との距離間をコンパクトに保ちながらゾーンで守備を行う。

画像3


② 中央
 中央のエリアでは、下図のようにボランチのベンセドル、ベスガがボールホルダーに対してブロック内へのパスコースを消すように寄せることでボールを外回りにさせる。

画像4

 特にハーフレーンでは、ボールホルダーに対しては同様にボランチのベンセドル、ベスガがブロック内へのパスコースを消すように立ち、このとき、SHのベレンゲル(左)/マルコス(右)はSBのベルチチェ(左)/カパ(右)の外側に下り、大外の相手に対してすぐにアプローチできる位置を取る。

画像5

画像6


③ サイド
 サイドのエリアでは、大外のボールホルダーに対して基本はSHのベレンゲル(左)/マルコス(右)がアプローチしていた。このとき、ニアゾーン(下図の赤エリア)を予めSBのベルチチェ(左)/カパ(右)がカバーリングしていた。
 このとき、全体としては味方との距離間をコンパクトに保ちながらボールサイドにブロックをスライドさせる。

画像7

画像8


ビジャレアルの攻撃
(ポジショナルな攻撃)

① 陣形
 ビジャレアルは敵陣でのポジショナルな攻撃時、下図のような配置となる。

画像9


② プレー展開
 プレー展開としては、左右の幅を使ってポゼッションを行いながら、相手ラインの背後を取ろうとする。
 その中で、相手の2ライン間への積極的な縦パスと侵入や、オーバーロード(密集)とアイソレート(孤立)の状況を作るといった攻撃が多々見られた。

・積極的なライン間への縦パスと侵入
 ビジャレアルはポゼッションを行う中で、中央のエリア(ハーフレーンを含む)で、特にインサイドMFのパレホ、マヌ・トリゲロスから2ライン間への縦パスを積極的に行っていた。このとき、ボールの出し手となったパレホ、マヌ・トリゲロスも同時に2ライン間へ侵入し、相手最終ラインの背後へ抜け出したり、ライン間で再びボールを受けるなどのプレーが見られた。

画像10

画像11


画像12

画像13

・オーバーロード(密集)とアイソレート(孤立)
 また、幅を使ってポゼッションを行う中で、下図のように片方のサイドに密集し、逆サイドに数枚残るといったプレーも多々見られた。このとき、逆サイドにはウイングのジェラール・モレノ(右)/モイセス・ゴメス(左)とSBのルベン・ペーニャ(右)/ペドラサ(左)がアイソレート(孤立)していた。

画像14

 このプレーによって相手最終ラインの背後を取ったシーンを紹介する。
 まず、左サイドに全体が密集し、逆サイドに右ウイングのジェラール・モレノと右SBのルベン・ペーニャがアイソレートする。その後、右サイドの密集エリアでポゼッションを行いながら、逆サイドの大外に流れたジェラール・モレノへサイドチェンジする。このとき同時に、後方からルベン・ペーニャがハーフレーン上でインナーラップを行う。そして、ハーフスペースの裏へ抜け出したルベン・ペーニャへ大外で受けたジェラール・モレノが斜めのスルーパスを入れることで相手最終ラインの背後を取った。
 特にこのシーンはビックチャンスとなった。

画像15

画像16

画像17

画像18


 今回のビルバオのゾーンを軸としたブロック守備において見られたプレー原則の1つは、「中央(ハーフレーンを含む)エリアでブロック内へのパスコースを消しボールを外回りにさせる」という原則でした。特に、このタスクはボランチのベンセドルとベスガに与えられていたように思います。
 そして、ボールを外回りにさせた際に重要となるプレー原則は「サイドのエリアでボールホルダーに対して必ず1枚がアプローチを行い、もう1枚がカバーリングを行う」という原則だと思います。ビルバオの場合、SHがアプローチ、SBがカバーリングのタスクを主に担っていました。特にサイドのエリアでは、誰がボールに寄せて、誰がカバーリングをするのかといった細かい戦術のディティールは、相手の配置やマッチアップの組み合わせなどが関係してくるため、対戦相手ごとに変化させる必要があると思います。
 一方、ビジャレアルのポジショナルな攻撃で見られた主なプレー原則は、「2ライン間への縦パスと、人の2列目からのライン間へ侵入を積極的に行う」と「オーバーロードとアイソレートを行う」という原則であると考えられました。これらのプレー原則は、相手の守備ブロックの背後を取る上で非常に有効な手段だと思いました。
 他にも様々なプレー原則が考えられますが、相手によってプレー原則の優先順位は変わるものだと思います。そのため、今回は優先順位の高そうなプレー原則について考察してみました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?