複数のリズムをレイヤーさせる

今回話すのはリズムの重ね合わせの話です。4/4拍子を例に挙げて、リズムをレイヤーさせるという考え方を説明していきます。

さて、4/4拍子で感じるリズムと言えば真っ先に四分音符を思い浮かべますよね。まずはこの音符から考えましょう。

譜面のように延々と四分音符が並んでいくとき、拍子は存在しないことがわかりますか?
目印が無いですから、拍を数えるにしても123456789……というように果てなく数えていくことになります。

音符は2つでまとまる(2つに分割する)ことが大好きなようで、四分音符の倍の二分音符なんてものも存在します。先程の四分音符の譜面の上に二分音符も重ねていくとどうなるでしょう?

四分音符と二分音符が重なるところは強拍に、四分音符だけのところは弱拍になります。片手で四分音符、もう片手で二分音符を叩いてみると二拍子になることが分かるでしょう。

それでもまだ四拍子にはたどり着かない。今度は二分音符の更に倍、全音符を先程の譜面に合わせてみましょう。

全、二分、四分音符全て重なるところが一番強く、二分と四分の音符だけ重なるところが二番目に強い。四分音符だけのところは弱拍です。これを整理すると、強、弱、中強、弱という強弱のループができます。これは四拍子と言えるでしょう。


四拍子とはこのような経緯で出来上がるものと説明できます。
四拍子は、
『強、弱、中強、弱という1つのリズム』
があるのではないのです。
四分音符、二分音符、全音符のリズムをしっかりと別個で感じ取り、それが多層的に展開していることを感じるのが『リズムをレイヤーする』ということです。
これらの音符を別個に感じることによって、それぞれの音符を感じる割合の配合を変え、例えば二拍子っぽい四拍子など、四拍子のリズムの表現にバリエーションを出せます。

今回は4/4拍子がテーマでしたが、他の拍子にも同じことが言えます。例えば6/8拍子では、まず八分音符から始めて、これを2つ、3つ、6つ(6の約数個)まとめた音符をそれぞれ感じてみる。そうして出来た音符を重ねると立体的な6/8の感じ方が出来るでしょう。

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