奇数のノリを感じよう

これまでの内容を基にリズムを「きちんと」演奏出来るようになりました。しかしこれだけでは複雑でリズミカルな曲には対応できません。ここまでの話だけを基に演奏を組み立てようとすれば「真面目すぎてノリが悪い音楽」になる可能性がかなり高いでしょう。『ノリ』階層のリズムに一工夫を加えてこの危機を脱しましょう。
八分音符8つ(四拍子のエイトビート一小節分)を題材にします。
今までは、八分音符を2つ集めた四分音符や、4つ集めた二分音符を並べてきました。8つの音符の配分を数字で表すと以下のような感じですね。

8=2+2+2+2=4+4


これまでが 2,4,8 など偶数で音符をまとめていますから、更に一捻りするためには奇数個で音符をまとめれば良さそうですね。8以下の奇数個で音符をまとめるとすると、選択肢は 1,3,5,7 です。今は音楽に乗るタイミングの話をしていますから、長すぎる 7 と短すぎる 1 は除外しましょう。次に 5 ですが、ほとんどのリズムで2と3に分解できてしまいます。したがって、奇数個で音符を括る時の最小単位は3とします。8つの音符を、3と偶数を用いて分割するパターンは数字で表すと以下の3通りです。

8=3+3+2
  =3+2+3
  =2+3+3


音符で書くと以下の3通り。数字と音符を対応させて各パターンを確認してみてください。

まずは各パターンを叩く練習をしましょう。BPM120程度のメトロノームの八分音符に合わせて叩く。出来たら四分音符に合わせて叩く。数を数えながら(例えばパターン①なら『123 123 12』というように)叩くのも良いでしょう。

各パターンのアクセントの位置だけ叩く練習もやってみてください。メトロノームにきっちりタイミングを合わせようとすると、赤の3つまとめた音符はゆったりと余裕がある印象で2つまとめた音符は緊張感があることに気付いたでしょうか。速いテンポで叩くほど分かりやすいかもしれません。これら3と2の配置によって生まれる緩急がノリノリの音楽には不可欠です。3つのパターンを身に付けて音楽の中で『奇数』を感じ取れるようになればリズムの活きが一段アップするはずです。

是非JPOPやロックに合わせて3つのパターンを叩いてみるなど研究をしてみてください。リズムの聴き方が変わると思います。
最初は曲にどのパターンが合うか見付けるのが難しいかもしれないので練習用の曲として米津玄師さんのloserを紹介しておきます。この曲は音楽に合わせて3つのパターンどれを叩いてもしっくり来る、リズム的に楽しい曲なのでパターンによる感じ方の違いも分かりやすいと思います。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?