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「心の救済」とDXを描くミステリ―7/12 逸木裕さんとのトークイベント開催

明日、7/12(日)19:30よりオンラインにて、逸木裕さんとのトークイベントを行います。

これは私がLive wireで開催しているイベントシリーズ「新世紀ミステリ作家探訪」の第三回目です。(新型コロナウイルス感染拡大によって延期した斜線堂有紀さんとのイベントは、後日改めて開催予定)今回は逸木さんの近著『銀色の国』を話題の中心にしながら、「追い詰められた心を救うには」「ミステリとデジタルトランスフォーメーション(DX)」というテーマでお送りしたいと思います。(下記は杉江松恋氏との国内ミステリ書評番組「ミステリちゃん」内での『銀色の国』紹介動画)

https://www.youtube.com/watch?v=iuY47etLwVE

今年5月に発売された『銀色の国』は、現代社会における自殺を題材にしたミステリです。実はこの本を読んでいた時、ちょうどプロレスラー・木村花さんに関する痛ましい出来事が連日報道されていました。

テレビが作り上げた虚像。その虚像をコンテンツとして不特定多数の人間に“消費”されてしまうことで、木村さんは心を追い詰められていました。木村さんを追い詰めたものは、なぜ生まれたのか。追い詰められた人間を救うことはできるのか。そんな事を考えていた折に出会ったのが、逸木さんの『銀色の国』です。本書で描かれているのは、「死にたい」という気持ちにとらわれた人間と、彼らを救おうとする人間との間で生じるすれ違いや、葛藤でした。

このようなテーマに取り組んだ背景には、現代人の心を追い詰める/救済するメカニズムを、ミステリというジャンル小説のなかで探求したいという思いがあるのではないのか。その辺りを、ぜひとも逸木さんとお話しできればと考えています。

また、逸木作品にはAI、VR、自動運転といった最新テクノロジーをふんだんに取り入れるという特徴があります。『虹を待つ彼女』や『電気じかけのクジラは歌う』に描かれた風景は、「ほんの半歩先の未来」のものだと刊行当初は受け止められていた節がありました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大によって、「ニュー・ノーマル」に対応するためのデジタルトランスフォーメーション(DX)が急速に進む気配が、社会全体に感じられます。このようにDXが広がる社会において、ミステリの書き方はどのように変わるのでしょうか。この点についてもイベントでお伺いしたいと思います。

Zoomを利用したオンラインイベントですので、ご自宅でも気軽に参加可能です。皆さんのご参加、お待ちしております。(参加お申し込みは下記URLよりお願いいたします。

http://boutreview.shop-pro.jp/?pid=151978993

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