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~すべきというのは分かりませんが、ふと読みたくなった新美南吉【今読むべき本】

最近、何冊か並行しながら読んでいる本があります。

普段読み慣れない、科学の本、心理学の本、小説そして童話。

どれも、今読みたいと思って読み始めた本ですが、慣れない専門用語や、学生時代から苦手で避けていた歴史が現れると、なかなか前に進めなくなります。そんな時に並行して読む本があると、気分転換にもなり、頭を切り替えることが出来ているようです。

今の気分に合わない本は、購入後積ん読状態になっていたものも含めて、目につかない場所にしまうことにしました。見える場所にあると、「ああ、こんなにたくさん読むものがある、早く読まなくちゃ」と焦る気持ちから、読みたい欲求よりも義務感に駆られてしまうから。

ムスメが東野圭吾のミステリーを読んでいる横で、母の私が童話を読んでいる。何ともシュールな光景ではありますが、幼い頃に読んだ印象と、大人になり、母になって読むのとでは、向かい合う側面が全く異なります。

最近読み終えたのは

新美 南吉 著 「おじいさんのランプ」

最初に読んだのは小学校5年生。学校を1週間ほど休んでいた時でした。日曜日に家族揃って買い物に出かける用事がありましたが、治りかけであっても熱が下がらない私は留守番になりました。その時に買ってきてほしいと何冊かリクエストした本の中にあったものです。新美南吉さんの物悲しいお話は、幼い頃から惹きつけられるものがありました。おそらく一人で留守番をする寂しさ、置いていかれる不安もあって、明るいものよりも少し悲しいお話を読みたくなったのかもしれません。


かくれんぼの最中、お倉の隅にあったランプを持ち出した東一君に、おじいさんがランプの思い出を話してくれます。

親兄弟もなくみなしごの少年は、自分にできる仕事をして村においてもらっていた。村を出たことのなかった少年は、ある日人力車の先綱で峠向こうの街を訪れる。村では見たことのないガラスのランプに魅了される。暗い場所へもう戻りたくない。少年が文明開化を肌で感じた瞬間だった。ランプを商売にすると決め、熱心に説得しランプが村をともし始めた頃、次なる文明開化が歩み寄る。

誰かを恨みたくてたまらなくなる、そんな時に、舌打ちしながら口にした言葉で気づいたこと。

その後の行動。そして孫の東一君のひとことに対するおじいさんの返事。

ここに、今を表す答えがある。





書くンジャーズ日曜日担当のふむふむでした。




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